一人称
読み:いちにんしょう
人称
の一つで、話し手本人を指すもの。
目次
概要
特徴
英語
日本語
日常のもの
親しい間柄で使うもの
職業的なもの
現用だが特殊なもの
古典的なもの
概要
人称の区別には一般に人称代名詞を使う。
例えば、「私は女です」の「私」などが、一人称の人称代名詞である。
ヨーロッパ言語やその影響にある多くの
言語
は独自の人称代名詞が用意されているが、
日本語
の場合はあまり厳密ではなく、殆どどんな単語でも人称代名詞として使える。
特徴
英語
英語
では、格と数によって変化する。
単数
I (
主格
)
my (
所有格
)
me (
目的格
)
mine (所有格代名詞)
myself (再帰代名詞)
複数
we (主格)
our (所有格)
us (目的格)
ours (所有格代名詞)
ourselves (再帰代名詞)
日本語
日本語では様々なものが使われる。場面、歴史的変化、職業、態度など、その利用者に応じて変化もする。
日常のもの
私 (わたし) 男女とも使う。
私 (わたくし) フォーマルな場面で使う。
僕 (ぼく) 男性が使う。主として幼児期に使うが、大人でも使う人はいる。
女性が使う場合もあるが一般的でなく、マンガやゲームの世界の「ボクっ娘」が使う。
二人称
として、男の子を呼ぶ時にも使う。
自分 (じぶん) あまり一般的ではないが、使われる。
親しい間柄で使うもの
俺 (おれ)、オレ、俺様 男性が使う。
俺様は威張った表現。
あたし 女性が使う。わたしの転。
まんが、アニメ、エロゲなど利用範囲は広い。
うち 女性が使う。
近畿地方
の若者言葉とされる。
おら、オラ 関東より東の地域で男女ともに使う。俺の転。
ドラゴンボールの孫悟空も使う。「オッス!オラ極右!」
儂、わし、ワシ 主として男性が使う。主に西日本で、老人が使う。
小林よしのり
が常用していることで有名だが、ある程度年齢がないと様にならない表現ではある。
おい、おいどん 九州南部で使われる。
九州から遠い
人間
は、鹿児島の人はみな「おいどんは…でごわす。」と言っていると信じている。
職業的なもの
本官 (ほんかん) 警察官などが使う。
先生 (せんせい) 教職員が使う。
二人称として使われることが主で、「せんせい、あのね。」といった用例がある。
小学校の先生などは、児童に対して一人称で使う例がもある。
当職(とうしょく) 職務に就いている者が、自分を指して言う表現。
弁護士や司法書士などがよく使う。
現用だが特殊なもの
下名 自分をへりくだって言うときに使う。
ウリ 2ちゃんねるのAA、ニダーが使う。「ウリは…
ニダ
!」
実は朝鮮語でウリは「我々」つまり複数形なので正しくない。
古典的なもの
近年はあまり使われていないもの。
朕 (ちん) 皇帝などが使う。日本では
天皇
が使うが、
昭和天皇
や
今上陛下
は使っていない。
麿、麻呂 (まろ) 平安時代に、男女問わない一人称として普及。
元は麻呂と書かれ、後に麿という合字が
国字
として作られている。
我輩、吾輩 (わがはい) 主として男性が使った。夏目漱石「吾輩は猫である」などが有名。
悪魔教教祖の悪魔であり人間界では歌手や相撲評論家として活動するデーモン閣下の一人称も「吾輩」である。
拙者 (せっしゃ) 時代劇で武士が使う。今や日常で使う人は皆無である。
妾 (わらわ) 時代劇で高貴な女性が使う。今や日常で使う人は皆無である。
小生 男性が使う、へりくだった表現。自分と同等かそれ以下の立場の人との会話で用いる。
日常会話では殆ど使われないが、今も手紙等、文語では使われる。
小職 本来は役人が、自分の官職を低いとする、へりくだった表現。自分と同等かそれ以下の役職との会話で用いる。
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