WEP
読み:ダブリューイーピー
外語:WEP: Wired Equivalent Privacy

 IEEE 802.11bで使われる暗号化通信プロトコルの一つ。
目次

概要
 無線通信は傍受が容易なため、セキュリティを維持するためには暗号化が必須である。
 初期に登場したWEPはその方法の一つであり代表だが、暗号化性能は極めて弱い。既に容易に解読可能であり、つまり暗号化している意味が殆どない。このため現在はWPAへの移行が進んでいる。

特徴

暗号化
 WEPでは、通常64ビット長(WEP鍵40ビット+初期化ベクトル24ビット)の秘密鍵を用い暗号化を行なう。
 一部の製品(Cisco製品など)のものでは128ビット(WEP鍵104ビット+初期化ベクトル24ビット)鍵のものも利用できる。
 鍵は直接送受信せず、チャレンジ&レスポンス形式で鍵の交換を行なう。有線ネットワークと同程度のセキュリティを実現することから、Wired Equivalent Privacy(有線と同等のプライバシー)という名がある。

弱点
 WEPの弱点は数多く、様々なセキュリティホールがあるが、概ね次のようなものが指摘される。
 後継として、鍵長を伸ばしたWEP2が作られたが、それ以外の問題点の改善はできていない。

一瞬で解読
 2008(平成20)年10月、コンピューターセキュリティシンポジウム2008において、神戸大学と広島大学の研究者グループにより「WEPを一瞬で解読する」方法が発表された。これにて、どれほど暗号強度が弱いかが改めて明らかとなった。
 この方法によると、特殊なパケットは不要で、通常の通信のパケットを傍受し、3つの関数を用いて鍵を推測するなどの方法により、WEP鍵104ビットであっても短時間でWEP鍵が計算可能、としている。
 発表資料によると、無線であるため、(侵入など)不正アクセスする必要はなく、相手に気付かれることもなく、鍵が算出できる。盗聴した20Mバイト分のデータを用いて、わずか10秒(12cBeat)で解読に成功した、としている。

後継など
 WEPだけではセキュリティ上問題であったため、各メーカーはWEP以外に、次のようなものを併用した。

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