SECAM
読み:セカム
外語:SECAM: Se'quentiel couleur a me'moire

 フランスやロシアなどで主に用いられているカラーテレビ放送方式。1962(昭和37)年規格制定。
目次

概要
 PALと同様、米国や日本などで使われるNTSCとは異なり最初からカラー放送用として設計されている。
 NTSCに対するPALと同様のコンセプトで設計された技術で、その実現方法はPALとは異なっている。しかしPALと比較すると、技術的には劣っている。

特徴

仕様
 SECAM自体はカラー信号の規定であり、走査線数やフレーム数はテレビシステムと呼ばれる別の概念である。
 とはいえ、実際のテレビシステムとしては、走査線本数が625本(有効576本)で、秒間25フレームインタレースが標準となっており、これはPALと同様である。
 以降は、この標準的なテレビシステムを前提として説明する。

信号
 光の三原色(RGB)信号を輝度信号と二つの色差信号(R-Y、B-Y)に変換し、二つの色差信号はライン毎に交互に並べた後に1.4MHzに帯域制限し、これで色副搬送波をFM変調した後にY信号に多重化する。
 受信機側では1ラインの遅延線を用いて色差信号を同期信号に変換し、カラー画像として再生する。

使用範囲
 フランスと、旧フランス植民地の大半で使われたほか、共産国のソ連やその衛星国だった一部の東ヨーロッパでも使われた。
 共産圏の国でSECAMを採用したため、「鉄のカーテン」の向こう側で放送されているPALによる番組を、共産圏の国ではカラーで見ることができなかった。

バリエーション
 PALと同様に世界中で使われたため、いくつかのバリエーションが存在する。
SECAM-L
フランスと旧フランス植民地で使われている。
SECAM-B/DECAM-G
ギリシャなどで使われている。
SECAM-D/DECAM-K
旧ソ連と東ヨーロッパで使われている。
SECAM-L
ルクセンブルク、モナコなどで使われている。
SECAM-M
中東で使われている。

再検索