テレビシステム
読み:テレビシステム
外語:Television System

 地上アナログテレビジョン放送の各種放送方式を総称する言葉。
目次

概要
 地上波アナログテレビ放送は、世界各地でそれぞれ個別に開始されたという歴史的経緯があるため、走査線数や毎秒画像数・電波形式などの異なる放送方式が世界各地に存在する。
 これらの各種放送方式を総称して「テレビシステム」と呼び、それぞれの方式にA〜Nの記号を付けて区別する。

特徴

NTSC/PAL/SECAM
 NTSCPALSECAMというのは、あくまでもカラー信号の重畳方式に過ぎず、よく勘違いされるが、走査線数の違いなどのテレビシステムとは基本的に無関係である。
 正確に放送方式を表記する場合には "M/NTSC" のように、テレビシステム名とカラー方式名を併記する。

区別
 テレビシステムの区別は本来、走査線数や毎秒画像数などの映像信号形式とチャンネル帯域幅などの電波形式が一体になったものである。ただし、場合によっては、電波形式の諸元を切り離し、映像信号形式についてのみいう場合もある。
 例えば、日本の衛星放送の映像信号方式は、地上波と同じM/NTSCと表記されている。

資料

標準方式
 世界の地上アナログテレビジョン放送標準方式は、A〜Nで表わされる。
 周波数の単位は、周波数偏位のみkHz、他はMHzである。
 変調形式のA5Cは残留側波帯振幅変調、A3は振幅変調、F3は周波数変調を表わす。
方式の名称走査線数毎秒画像数チャンネル帯域幅下側波帯域幅映像音声搬送波周波数差変調映像音声搬送波電力比
映像音声
変調形式変調極性変調形式周波数偏移
A4052550.75−3.5A5CA3 4:1
B6252570.75+5.5A5CF3±5010:1
C6252570.75+5.5A5CA3 4:1
D6252580.75+6.5A5CF3±502:1〜 5:1
E81925142.00+11.15A5CA3 4:1
F8192570.75+5.5A5CA3 4:1
G6252580.75+5.5A5CF3±5010:1
H6252581.25+5.5A5CF3±505:1〜10:1
I6252581.25+6.0A5CF3±505:1
K6252580.75+6.5A5CF3±502:1〜 5:1
L6252581.25+6.5A5CA3 8:1
M5253060.75+4.5A5CF3±2510:1〜 4:1
N6252560.75+4.5A5CF3±2510:1〜 5:1

放送方式(地域別)
 世界の(地上波アナログ)テレビ放送方式(地域別)は、次のとおり。
国名/地域名方式チャンネル割り当てカラー方式
VHFUHFVHFUHF
日本MM日本日本NTSC
韓国M アメリカ NTSC
北朝鮮DK東ヨーロッパ PAL
中華人民共和国D 中国 PAL
台湾M アメリカ NTSC
香港 I ヨーロッパPAL
フィリピンMMアメリカアメリカNTSC
インドネシアB 西ヨーロッパ PAL
オーストラリアB オーストラリア PAL
ニュージーランドB ニュージーランド PAL
シンガポールB 西ヨーロッパ PAL
タイB 西ヨーロッパ PAL
B アメリカ PAL
インドB 西ヨーロッパ PAL
イランB 西ヨーロッパ SECAM
イラクB 西ヨーロッパ SECAM
サウジアラビアB 西ヨーロッパ SECAM
M アメリカ  
エジプトB 西ヨーロッパ SECAM
(旧)ソビエト連邦D 東ヨーロッパ SECAM
スウェーデンBG西ヨーロッパヨーロッパPAL
イギリスAIイギリスヨーロッパPAL
オランダBG西ヨーロッパヨーロッパPAL
ベルギーCH西ヨーロッパヨーロッパPAL
(旧)西ドイツBG西ヨーロッパヨーロッパPAL
(旧)東ドイツBG西ヨーロッパヨーロッパSECAM
ポーランドDK東ヨーロッパヨーロッパSECAM
フランスELフランスヨーロッパSECAM
スイスBG西ヨーロッパヨーロッパPAL
イタリアBGイタリアヨーロッパPAL
スペインBG西ヨーロッパヨーロッパPAL
アメリカ合衆国MMアメリカアメリカNTSC
カナダMMアメリカアメリカNTSC
メキシコMMアメリカアメリカNTSC
ブラジルMMアメリカアメリカPAL
アルゼンチンN アメリカ PAL

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