RFID
読み:アーエフアイディー
外語:RFID: Radio Frequency Identification
RFICタグとも呼ばれるマイクロチップを用い、人手を介することなく、タグに記録されたID情報を無線送信する技術のこと。
概要
例えば、製品の製造番号などを記録しておくと非接触で情報の読み出しや更新が可能となり、工場でのロット管理や生産工程の履歴管理、あるいは検査工程での検査情報管理などが容易になる。
いずれは現在のバーコードによる在庫追跡システムに取って代わるものと期待されている。
この他、非接触ICカードも広義のRFIDとして認知されている。
特徴
種類
大きく、電波の強さにともなう通信距離に応じて、次の4種類がある。
- 密着型 (2mmまで)
- 近接型 (約20cmまで)
- 近傍型 (約1mまで)
- 遠隔型 (上より遠距離のもの)
通信距離は長ければ良いというものではなく、カードの誤認識などを避けるために需要に応じた距離で使われる。乗車券や電子マネーとして広く使われているのは、このうち近接型である。
また、電池を搭載するものとしないものがあり、電池を搭載することで長距離に対応する仕様も存在する。
通信方式
密着型の通信方式には次の二種類がある。
類似の近接型/近傍型は電磁結合であるが、密接型は密着させるという特徴から、静電結合も可能である。
- 電磁結合
- カードとリーダーライター装置のアンテナを静止状態で対向させ、電磁誘導によって通信をする方式。雨などの水濡れには強いが、鉄粉が生じるような環境では磁気が吸収されてしまうため通信ができなくなる弱点がある。
- 静電結合
- カードとリーダーライター装置で各々金属箔の電極を設けてコンデンサーを形成し、静電誘導によって通信をする方式。コンデンサーは一方にプラス電荷をかけるともう片方はマイナス電荷が誘導される性質があり、この原理によって通信する。間に水滴などが入ると静電容量が変化するため通信ができなくなる弱点がある。
関連規格
RFIDに関連する規格は次の通り。更に枝番が付いているものもある。
- ISO/IEC 15459 ‐ 物流での固有IDの利用方法
- ISO/IEC 15961 ‐ アイテム管理:データプロトコル
- ISO/IEC 15962 ‐ データの符号化規則と論理メモリー機能
- ISO/IEC 15963 ‐ RFタグ用の固有識別子(ID)
- ISO/IEC 18000 ‐ エアーインターフェイス(RFIDのための電磁誘導方式)
- ISO/IEC 18000-1 ‐ リファレンスアーキテクチャーと、パラメーターの定義
- ISO/IEC 18000-2 ‐ 135kHz以下 (125kHz または 134.2kHz)
- ISO/IEC 18000-3 ‐ 13.56MHz
- ISO/IEC 18000-4 ‐ 2.45GHz
ISO/IEC 18000-5 ‐ 5.8GHz (不成立)
- ISO/IEC 18000-6 ‐ 860MHz〜960MHz (日米欧で各々異なる周波数帯を選択している)
- ISO/IEC 18000-7 ‐ 433MHz
- ISO/IEC TR 18001 ‐ アプリケーションプロファイルの要件
- ISO/IEC 18046 ‐ 無線周波数識別装置の性能試験方法
- ISO/IEC 18047 ‐ 無線周波数識別装置適合性試験方法
- ISO/IEC 19762 ‐ 用語の定義
- ISO/IEC TR 24710 ‐ エレメントタグ・ライセンスプレートの機能
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