PAN (Bluetooth)
読み:ピーエイエン
外語:PAN: Personal Area Networking Profile

 Bluetoothプロファイルの一つで、Bluetooth対応デバイス間で小規模なネットワークを構築するためのもの。パーソナル エリア ネットワーキング プロファイル。
目次

概要
 例えば、ノートパソコンの接続において、一台をマスターとして、他のデバイスからマスターに対して接続を行なうようなスタイルが想定される。
 PANによって、インターネットへの接続を共有することも可能である。この機能は、他に類するプロファイルとしてDUNがある。

技術

役割
 PANでは、三種類の役割が規定されている。
  1. ネットワーク アクセス ポイント(NAP) Ethernetへの接続サービスを提供するデバイス
  2. グループ臨時ネットワーク(GN) Ethernetフレームを転送するデバイス
  3. PANユーザー(PANU) NAPサービスまたはGNサービスを利用するデバイス

レイヤー
 機能はPANUもNAPも同様で、Bluetooth ネットワーク カプセル化プロトコル(BNEP)で実現されており、このプロトコルでIPv4IPv6などのプロトコルをカプセル化し、Bluetooth上で伝送する。
 BNEPの下位ではL2CAPが動作し、その更に下位はベースバンド層である。
 この他に、全体を管理する管理エンティティ(ME: Management Entity)がある。

特徴

利点
 他のプロファイルではなく、PANを使うメリットとして、次のようなものがある。

複数の通信
 Bluetoothの他のプロファイル、例えばプロトコルにRFCOMMを使うSPPなどは、基本的に一つのアプリケーションがポートを占有するため、一対一の通信となる。
 更に、一つの機器が複数のアプリケーションを持っていたとしても、同時には利用できないということになる。
 PANは、Ethernetと同様の機能を持っており、同時に複数のアプリケーションが通信できる。

汎用性
 Bluetoothは、目的に応じてプロトコルが選ばれプロファイルが作られる傾向にあるが、そのため多様なプロファイルが誕生することになった。しかし、作る方も使う方も、少ないプロファイルで多くのアプリケーションが利用できた方が利便が良い。
 PANは他のBluetoothプロファイルとは違って汎用的なプロファイルであり、用途は広い。
 PANではTCP/IPで動作するほぼ全てのアプリケーションが(理論上は)利用可能である。理論上はPANに対応すればすぐにでもこれらアプリケーションが使えるが、但し、Bluetooth機器は小規模なものが多く、スペック面からTCP/IPのような重たいプロトコルに対応できないことも多いからである。
 従って、PANが普及したとしても、同時に従来型のプロファイルも併用されるだろうと推定される。

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