IPv4アドレス
読み:あいぴー-ぶいよん-あどれす
外語:IPv4 Address: Internet Protocol version 4 Address

 IPv4で用いられるIPアドレス。32ビット長である。
目次

枯渇問題

枯渇
 IPv4アドレスは32ビットの長さがあるが、既に枯渇している。
 地域インターネットレジストリ(RIR)の未分配IPv4アドレスの在庫は枯渇している。アジア太平洋圏だけでみても、APNICは2011(平成23)年4月15日に在庫が枯渇したことから、日本のJPNICも同日、通常割り振りを終了した。
 APNIC地域では、最後の/8ブロックからの分配が同日開始されたが、この残ったアドレスは新規事業者とIPv6への移行のために利用されることが想定されており、基準を満たさなければ配分を受けることができない。
 幾つかの対策が考慮されているが、長期的視野では、IPv6に移行することが唯一解であると考えられている。
 2016(平成28)年11月7日、IABは、IPv4アドレスプールが枯渇していることを指摘し、IPv4/v6デュアルスタック環境またはIPv6のみに対応する環境の増加傾向は今後ますます強まること、また今後の(RFCによって公開される)通信プロトコルはIPv4への対応を義務づけることを辞めることとIPv6に全面的に対応する必要があるという声明を発表した。

沿革
 IANA中央在庫に残された/8ブロックが残5になった時点で、5つのRIRに同時分配するポリシーが適用される。JPNICの報告によれば、残は次の通りである。
 IANA中央在庫の/8ブロックが残5ブロックとなったため、世界中に5つあるRIRに1ブロックずつ分配し、全ての分配を終了するポリシーが実行された。かくして、IPv4アドレスはIANA中央在庫から完全に枯渇した。

表記方法

ドット記法
 アドレスは、ピリオドで区切って表記する「ドット記法」が一般的である。次の四通りがある。

4個の部分アドレス
 もっとも一般的な表記方法であり、IPv4アドレス表記方法の基本である。
 各部分は8ビットのデータとして解釈され、左から右の順に、32ビットが割り当てられる。

3個の部分アドレス
 3個の場合、一番最後の部分が16ビット値として解釈される。
 このスタイルでは、クラスBのアドレスを、「172.16.1000」のように表現することができる。

2個の部分アドレス
 2個の場合、一番最後の部分が24ビット値として解釈される。
 このスタイルでは、クラスAのアドレスを、「10.67890」のように表現することができる。

1個の部分アドレス
 1個の場合、値は32ビット値としてそのまま扱われる。

クラス分け
 かつては、この32ビットを大きく5つのクラスに分けて利用していた。
 但し現在はCIDRと呼ばれる方法に移行しており、このクラス分けは名残りとして残る程度となっている。

特殊な用途

範囲
 以下に示すアドレスは、特殊な用途に使用されるために定義されている。アドレスの範囲についてはRFC 6890に定義がある。このRFCは、RFC 3330RFC 5735RFC 6890RFC 8190と更新されているが、3330→5735の時点で、IPv4アドレス枯渇に対応するためマイナーな予約アドレスをすべて廃止して開放した。
アドレス範囲用途参照
0.0.0.0/8このネットワークRFC 1700
10.0.0.0/8プライベートIPアドレスRFC 1918
100.64.0.0/10キャリアグレードNATRFC 6598
127.0.0.0/8ループバックアドレスRFC 1122 3.2.1.3章
169.254.0.0/16リンクローカルアドレス(APIPA用)RFC 3927
172.16.0.0/12プライベートIPアドレスRFC 1918
192.0.0.0/29DS-LiteRFC 6333
192.0.2.0/24TEST-NET-1(例示用のアドレス1、example)RFC 5737
192.88.99.0/246to4リレールーター用エニキャストアドレスRFC 3068
192.168.0.0/16プライベートIPアドレスRFC 1918
198.18.0.0/15ネットワーク相互接続装置のベンチマークテスト用RFC 2544
198.51.100.0/24TEST-NET-2(例示用のアドレス2、example)RFC 5737
203.0.113.0/24TEST-NET-3(例示用のアドレス3、example)RFC 5737
224.0.0.0/4マルチキャストアドレスRFC 5771
240.0.0.0/4将来のための予約RFC 1112 4章
255.255.255.255/32制限ブロードキャストRFC 919 7章、RFC 922 7章

RFC 3330→5735
 RFC 3330を破棄したRFC 5735で次のアドレスが廃止され、一般的な用途に転用された。各アドレスブロックの行き先が判明しているものは併記する。
 代わりに、RFC 5735で、次のアドレスが追加された。いずれも、192.0.2/24のようなたとえ話用である。

RFC 5735→6890
 以下が削除された。
 以下が追加された。

一覧
 RIRに割り当てられているものは、RIRまでを記載。日本のJPNICは、APNIC配下である。
 (注意)RIR以外に直接割り当てられているアドレスについては、譲渡や利用中止等により利用者が変化することがある。

日本のIPv4アドレス
 グローバルIPアドレスとして日本で使われているIPv4アドレスは全てJPNIC管理下のアドレスである。
 2003(平成15)年8月以降は、APNICの逆引きネームサーバーよりゾーン委譲が行なわれるアドレスも使われはじめた。
 原則として2003(平成15)年8月以降、日本で割り当てられるIPv4アドレスは後者、APNICが逆引きの管理を行なうアドレスとなる。

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