緊急地震速報
読み:きんきゅうじしんそくほう
外語:EEW: Earthquake Early Warning

 気象庁が中心となり提供している、大きな地震に関する情報を伝えるサービス。
目次

概要
 各地の地震計で常に地震を観測しているが、この時に地震波が二ヶ所以上の地震計で観測され、かつ、震度5弱以上の揺れが予測される場合に緊急地震速報が発信される。
 この時の情報は、「発生時刻」「震源」「震央地名」の地震自体の情報と、日本全国を約200の地域に分けた各地域ごとに「強い揺れ(震度5弱以上)」と「震度4」が推定される地域の各情報が含まれる。
 この情報は、様々な事業者や地方公共団体などに提供されており、これがさらに、テレビラジオ携帯電話IPv6といった媒体を利用して一般ユーザーへも提供されている。
 ただし、発表から揺れまでの時間が、長くても十数秒から数十秒と短いことから、震源に近い所では速報が間に合わないこともある。

特徴

NHK
 NHKのテレビ放送およびラジオ放送では、震度5弱以上が予測された場合、震度4以上が予測される地域を中心に、緊急地震速報を放送する。
 まず決められたチャイムが鳴り、次に地域名などが表示(テレビ)または放送(テレビ・ラジオ)される。
 IPv6では緊急地震速報が配信されていても、現在主に使われているIPv4では無いため、ラジオを常時受信してこのチャイムを解析しP2Pで再配信する、「P2P地震情報」なども有志で提供されている。

携帯電話

サービス
 NTTドコモauソフトバンクモバイルは、緊急地震速報の配信をするサービスを実施している。
 携帯電話の場合は基地局との通信があるため、ある程度の位置が分かる。そこで、地震が発生する地域に対応する基地局から、各携帯電話機に一斉に情報を配信すれば、そのエリア内にいる携帯電話利用者に緊急地震速報が伝えられることになる。
 各社とも無料で情報提供をしており、申し込み、通信料、月額利用料等は一切不要となっているが、電話機の出荷時設定は一般に「オフ」になっていることが多いため、利用するためには設定を「オン」に変更する必要がある。

技術
 NTTドコモは、各セル内に一斉配信する、緊急速報「エリアメール」というサービスでこれを提供している。3GPP標準のCBSという一斉配信の仕様を使い、ETWSとして情報配信をしている。パケット通信中は受信できないので注意。特にAndroid端末は頻繁にパケット通信するので、取り逃すことがある。
 auも、同様に3GPP2標準の「ブロードキャストSMS」を使って一斉配信する。なお、これはメールなどのバケット網ではなく音声で使うセル網でメッセージを送信するため、遅延なく配信できる。
 いずれにしても、受信には対応した電話機が必要だが、これらの情報は輻輳せずに一斉同報配信できるのが特徴となっており、電話が混雑する場所であっても地震速報を配信できる。
 情報伝達の遅延時間については、NTTドコモによればドコモ側の設備に緊急地震速報が届いてから約10秒で携帯電話機に配信される、としている。auも同程度と推定される。

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