八木・宇田アンテナ
読み:やぎうだアンテナ
外語:Yagi-Uda Antenna
主にVHF〜UHF帯で使われるアンテナの一つ。構造が簡単な上に優れた指向性(一方向に感度が強い性質)を持ち、テレビ受信用から軍事用まで、幅広い分野で使われている。
起源
発明者は日本人で、東北帝国大学の教授の八木秀次博士(1886〜1976)と、当時その助手だった宇田新太郎博士(1896〜1976)が1926(昭和元)年に発表した。名称もこの二人の名前に因んでいるが、単に「八木アンテナ」と呼ばれることも多い。
発明された当初、日本では特許も取得され僅かに実用化されたものの、この発明の意義があまり認められず取得した特許権の延長も認められなかった。その後、第二次世界大戦で欧米各国が軍用レーダーのアンテナとして採用し、逆に日本を苦しめたというエピソードを持つ。
この発明の意義は日本よりも欧米各国の方が遥かに高く評価していたわけである。
特徴
基本構造
基本的な構造は、電波を放射する金属棒の前後に長さの異なる金属棒を並べただけの簡単なものである。このうち、短い金属棒が並んでいる方向への感度が強く、全体の金属棒の数(素子数)が多いほど感度(利得)が上がり指向性が鋭くなる。
また、八木・宇田アンテナを複数重ねて(スタティック)使用しても、感度(利得)が上がり指向性が鋭くなる。逆に素子数が少なくなると感度(利得)が下がり、指向性が広がる。
理論
短い方が前であり、λ/2(λ=波長)よりやや短い金属棒がある。これを導波器という。導波器は複数並べられており、電波を強めながら放射器に送り込む作用がある。
放射器は実際に電波を放射したり取り込むためのもので、ここに給電線が接続され、輪の形になっている事が多い。
一番後ろに付くのが反射器で、λ/2よりやや長い金属棒である。電波を送り返す働きがある。
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