超広帯域無線 |
辞書:通信用語の基礎知識 無線技術物理層編 (WCPMD) |
読み:ちょう-こうたいいき-むせん |
外語:UWB: Ultra Wide Band |
品詞:名詞 |
データを1GHz程度の、非常に広い帯域に拡散して送受信する無線技術。UWBとも呼ばれる。
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概要 |
送受信するデータを、広く薄く拡散するのが特徴。
近距離通信用であり、信号そのものは非常に微弱であるが、広い帯域を使えることから様々なメリットがある。
特徴 |
由来 |
元々は軍事用として開発され、後に民生利用されるようになった技術である。
使用できる周波数帯は国ごとに異なるが、広帯域を利用するため非常に高速である。また、各周波数帯域の電波は微弱で済み、同じ周波数を利用する別の無線機器が存在したとしても混信することがない。
アメリカでは3.1GHz〜10.6GHzと非常に広い帯域(7.56GHz幅)を使うことができるが、さらに、ISMであり特別な免許が不要である。
標準化 |
IEEE 802.15.3aとして、標準化が進められていた。
しかし、作業部会にMB-OFDM陣営とDS-UWB陣営(仕様については後述)があり、標準化において合意形成が出来ず破談、最終的にIEEE 802.15.3aの規格化が放棄された。
結果として、両陣営がそれぞれの方式を使った製品を開発してデファクトスタンダードを目指すという状況となっている。
周波数 |
広い帯域を使う必要があるため、現在あまり使われていない高周波であるマイクロ波のうち、センチメートル波で二帯域、ミリメートル波で一帯域が想定されている。
アメリカでは3.1GHz〜10.6GHzが利用可能。おそらく帯域的には最大で、他国はこのうちの一部分を利用できるよう定義することになると見込まれる。
日本では5GHz〜6GHz付近の既存無線設備との干渉を避けるため、UWBローバンド(3.4〜4.8GHz帯)とUWBハイバンド(7.25GHz〜10.25GHz帯)に分けられ、平均の空中線電力が-41.3dBm/MHz以下(尖頭値は0dBm/50MHz)で許可された。但し、UWBローバンドは将来的に第4世代携帯電話やWiMAXなどとの帯域競合が見込まれるため、干渉軽減機能(DAA)の装備が義務付けられている。
22GHz〜29GHzが利用可能。
但し、23.6〜24GHz帯は電波天文観測などに使われているため、「仰角30度以上で25dB以上減衰させること」「電波天文台からの離隔距離を定める」旨が告示されている。
標準規格では、57.24〜59.40GHz、59.40〜61.56GHz、61.56〜63.72GHz、63.72〜65.88GHzの4つのチャネルが2.16GHz幅で割り当てられている。
アメリカでは、57G〜64GHzの7GHz幅が、免許不要の帯域として開放されている。
日本国内ではさらに広く、57〜66GHzが免許不要の帯域として開放されている。
WiHD(ワイヤレスHDMI)や、IEEE 802.11ad(WiGig)などで使われている。
技術的に先詰まり感のあるBluetoothも、Bluetooth SIGがWiMedia Allianceから取得したUWB技術仕様を用いて60GHz帯に活路を見出す計画を立てていたが、最終的には見送られた。60GHz帯の近距離無線はIEEE 802.11ad(WiGig)が一般化するものと見込まれる。
変調方式 |
無線LANでも使われているOFDMを応用した技術で、マルチバンド方式と周波数ホッピング方式(FH)を組み合わせたもの。IntelやTIなどが推している。
アメリカの場合、3.1GHz〜10.6GHzの帯域を14バンドに分割して使用している。
1ns以下のごく短いパルス信号により広帯域スペクトルとして直接拡散(DS)する方式。MotorolaやFreescaleなどが推している。
主な用途 |
物理層についてはIEEE 802.15.3aとして規定されているが、これが様々用途に使われている。
リンク |
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