しおかぜ |
辞書:通信用語の基礎知識 無線・業務放送事業者編 (WBORG) |
読み:しおかぜ |
品詞:固有名詞 |
北朝鮮 拉致被害者向け短波放送「しおかぜ」。
|
概要 |
北朝鮮に拉致された邦人に対して呼びかけを行なうため、特定失踪者問題調査会が行なっている短波ラジオ放送のこと。
2005(平成17)年10月30日に放送開始以来毎日放送されていたが、2007(平成19)年10月28日以降は「JSRしおかぜ」となった。
以降は、JSRしおかぜになる前の情報を記載する。
放送の特徴 |
2007(平成19)年10月28日までは、日本国内からの「第一放送」と、海外非公開箇所からの「第二放送」の二つの放送が行なわれていた。
送信所の情報 |
日本政府とKDDIと国際電気通信連合(ITU)の協力、およびNHKの妨害により実現した、日本国内からの北朝鮮拉致被害者向け放送である。
KDDI八俣送信所より北朝鮮に向けて放送された。
従来の「しおかぜ」の第一放送に対応し、これが第三国から日本国内からの送信に変更された。
八俣からの送信にあたっての免許は次のとおりで、放送事業者ではなく、業務局扱いとなっている。
送信所に関する情報は、次のとおり。
この送信所のからの放送のKDDIおよびNHKとの契約期間は2007(平成19)年3月26日から10月28日まで。
北朝鮮近隣の第三国の施設経由で放送、とされていた。
従来の「しおかぜ」の第二放送に対応するのが、この放送である。
具体的には、英国の放送配信会社「VTコミュニケーションズ」(NHKの国際向け放送会社)に委託されており、調査会が作成した番組をインターネットで英国に送信し、英国から第三国(安全のため非公開)の送信施設を経由して放送された。
放送内容等 |
主に次のような内容となる。
拉致被害者の名前の読み上げは、名前、生年月日、失踪日と失踪場所、当時の年齢と現在の年齢を日本語で読み上げている。
名簿にある拉致被害者は、政府認定者、特定失踪者約250名、その中間にある救う会認定者の三種類で計約270名である。
一日につき50名程度を読み上げるため、5日間で一巡する。
放送時間が当初の30分間から延長されたことから、名前の読み上げに加え、追加の番組が放送されている。
現在は、朝鮮語によるニュース、脱北した元工作員による放送などが行なわれている。
沿革 |
以降は「JSRしおかぜ」の項を参照。
聴取可能地域 |
想定されている聴取可能地域は北朝鮮全域で、更に支那の北朝鮮国境付近および南鮮の北部である。
但し、日本でも辛うじて受信可能である。
ベリカード |
日本でも受信可能となるとQSLカード(ベリカード)が欲しくなる人もあると思われるが、とりあえずそのような事は団体としては想定外のことと思われるので、不謹慎にならないよう冷静に判断されたい。
受信報告書については公式には、郵便振替用紙を使った1000円以上のカンパで、通信欄に受信データ(日時、周波数、受信状態など)の記載されたものに限り、送付されるとしている。
名前の由来 |
「しおかぜ」は、潮風に乗って、日本国民みなが拉致被害者の生還を待っていることが伝わるように、という願いが込められている。
政府支援 |
安倍晋三内閣・第一次となって以降の2006(平成18)年10月11日、菅義偉総務相は参院予算委員会で「しおかぜ」への政府による支援方針を表明した。
NHKが国際放送を行なっている茨城県内のKDDIの送信施設を「しおかぜ」用に利用出来ないかを検討した。
その後「公共放送」として、総務省はNHKに対して放送法に基づく放送命令を出そうとしたが、NHK労組が反発し、他のマスコミも反発したため、結局実現できなかった。
そこで、国際電気通信連合に働きかけて周波数とコールサインを確保し、NHKの使っていない時間帯で放送をすることになったのである。
放送状態 |
開始初日 |
報告によると、約30分のキャリアに続き、1時間遅れで放送が開始されたとされる。
心配されていたジャミング(妨害)については無かったとされる。
その後の状況 |
現在、北朝鮮当局(推定)により必死のジャミング(妨害電波攻撃)が行なわれているが、完全な妨害には至っていないようだ。
報道では、「2006(平成18)年5月から、突然、正体不明の妨害電波が発信され始めた」とされている。
日本からの発信 |
2007(平成19)年3月26日から、第一放送はKDDI八俣送信所からの送信に変更された。
報道では、「2007(平成19)年3月30日から、同一周波数の妨害電波が発信され始めた」とされている。
なお、この第一放送の放送言語は全てが日本語である。北鮮当局がこの放送を妨害するということは、北鮮内に日本語で聞いている人がいる、ということである。そして、しおかぜを聞かれては都合が悪いということを意味しており、つまり拉致被害者は北鮮内で現在も生きていることの何よりの証左であると考えられている。
リンク |
通信用語の基礎知識検索システム WDIC Explorer Ver 7.04a (27-May-2022) Search System : Copyright © Mirai corporation Dictionary : Copyright © WDIC Creators club |