ls
読み:エルエス
外語:ls: LiSt
UNIXにおいて、ディレクトリにあるファイルなどをリスト表示するコマンド。
概要
UNIXやLinuxでは /bin/ls に標準のlsが置かれている。
MS-DOSのdirコマンドに相当するが、lsはUNIX用に作られているため、パーミッション、所有者、グループなどの情報が表示される点が特徴といえる。
またLinuxでは、GNU coreutilsに/usr/bin/dirや/usr/bin/vdirというハードリンクがあり、dirで「ls -C」、vdirで「ls -l」として動作する。同様の動作をするように、aliasを用意することもある。
特徴
表示
単にファイル名のみを表示するモードと、ファイル名に加えて様々な情報を表示するlongモード(あるいはリストモード)がある。
longモードは、-lオプション(Linuxのlsでは--format=longオプションも可)で利用でき、このモードでは、ファイル・タイプ、アクセス権、ハードリンクの数、所有者名、グループ名、バイト単位のサイズ、タイムスタンプが合わせて表示される。
以下は、運用中のFreeBSD 9.0での表示例。
> ls -l
total 51
-r--r--r-- 1 root wheel 6199 Apr 6 22:03 COPYRIGHT
drwxr-xr-x 2 root wheel 1024 Apr 6 22:03 bin
drwxr-xr-x 8 root wheel 1024 May 31 00:07 boot
drwxr-xr-x 2 root wheel 512 Apr 6 20:51 cdrom
lrwxr-xr-x 1 root wheel 10 Apr 6 21:01 compat -> usr/compat
dr-xr-xr-x 45 root wheel 512 May 31 00:12 dev
drwxr-xr-x 2 root wheel 512 Apr 6 20:51 dist
-rw------- 1 root wheel 4096 May 31 00:11 entropy
drwxr-xr-x 20 root wheel 2048 May 28 00:37 etc
lrwxr-xr-x 1 root wheel 8 Apr 6 23:36 home -> usr/home
drwxr-xr-x 3 root wheel 1536 May 31 00:08 lib
drwxr-xr-x 3 root wheel 512 Apr 6 22:03 libexec
drwxr-xr-x 2 root wheel 512 Jul 19 2010 media
drwxr-xr-x 2 root wheel 512 Jul 19 2010 mnt
dr-xr-xr-x 2 root wheel 512 Jul 19 2010 proc
drwxr-xr-x 2 root wheel 2560 May 31 00:08 rescue
drwxr-xr-x 4 root wheel 512 Apr 8 23:57 root
drwxr-xr-x 2 root wheel 2560 May 31 00:08 sbin
lrwxr-xr-x 1 root wheel 11 Jul 19 2010 sys -> usr/src/sys
drwxrwxrwt 6 root wheel 512 Jul 8 22:31 tmp
drwxr-xr-x 18 root wheel 512 Apr 6 23:36 usr
drwxr-xr-x 26 root wheel 512 May 31 00:12 var
drwxr-xr-x 12 root wheel 512 May 27 21:25 www
>
日付の後は時間または西暦年が表示される。ファイルの日付が、6ヶ月以上前または1時間以上後の場合に、lsコマンドは時刻の代わりに年を表示する。
ファイル・タイプ
ファイル・タイプは、longモードで最初に表示される10桁の英字または-からなる記号列の、一番最初の文字である。
- d … ディレクトリ
- b … ブロック型特殊ファイル
- c … 文字型特殊ファイル
- l … シンボリックリンク
- p … FIFO (名前つきパイプ)特殊ファイル
- s … AF_UNIXアドレス・ファミリ・ソケット
- - … 通常ファイル
独自に拡張されたシステムでは、これ以外が存在する可能性がある。
アクセス権
ファイル・タイプは、longモードで最初に表示される10桁の英字または-からなる記号列の、2文字目以降である。
つまり全部で9桁がある。これは、最初から3桁ごとに、同じUIDのユーザー、同じグループ、その他のユーザーであり、各々、読み込み/書き込み/実行の可否を表わしている。
- 同じUIDのユーザー
- 2文字目 r/読み込み
- 3文字目 w/書き込み
- 4文字目 x/実行
- 同じグループ
- 5文字目 r/読み込み
- 6文字目 w/書き込み
- 7文字目 x/実行
- その他のユーザー
- 8文字目 r/読み込み
- 9文字目 w/書き込み
- 10文字目 x/実行
許可は、次のように表示される。
- r … ファイルが読み取り可能
- w … ファイルが書き込み可能
- x … ファイルが実行可能 (ディレクトリなら、そのディレクトリにアクセス可能)
- - … 指定された許可は認めらていない
また、ファイルには特殊なアクセス権が存在し、この場合は各アクセス権のセットの3文字目(実行権の欄)に、次のように表示されることで示される。
- s … setuidまたはsetgidが設定されており、かつ対応する実行ビットが設定されている
- S … setuidまたはsetgidが設定されているが、対応する実行ビットが設定されていない
- t … stickyとその他のユーザーに対する実行ビットが共に設定されている
- T … stickyが設定されているが、その他のユーザーに対する実行ビットが設定されていない
- x … 実行ビットは設定されているが、上のどれも適用されていない
再検索