PCM
読み:ピースィーエム
外語:PCM: Pulse Code Modulation

 音声などのアナログ信号をディジタル符号化する方式の一つ。
目次

概要
 標本化→量子化→符号化、という三段階の処理(サンプリング)によって、アナログ信号(音声など)をディジタル符号に変換する。
 アナログの信号は、一定時間ごとに標本化(サンプリング)され、信号の大きさを規定の量子化ビット数の範囲で量子化し、その数値を符号として記録する。記録された情報を再生する場合は、この逆の手順となる。

特徴

要素
 PCMの要素には、「サンプリング周波数」と「量子化ビット数」(別名、符号化データ長)がある。
 サンプリング周波数が大きいほど高周波のアナログ信号を符号化でき、また符号化データ長が大きいほど音程精度が高まる。この二つの要素で、記録されるデータの品質が決定する。
 例えば、音楽CD(CD-DA)の場合もPCMが使われており、サンプリング周波数は44.1kHz(1秒間に44,100回の標本化を行なう)、量子化ビット数は16ビット(216段階、つまり0〜65,535の65,536段階で符号化する)、となっている。
 周波数もビット数も、大きいほど高音質となるが、増やせばその分だけ符号化されたデータ量も多くなり、処理に必要なプロセッサー能力も大きくなるため、均衡も必要である。

音源
 原音をこのようにディジタル録音しておき、後からディジタル情報をアナログ音声に変換することで音源として利用されることもある。これをPCM音源という。
 その際に周波数変調(FM)して音階を付けながら再生したりなどの加工を行なうことも可能で、この技術を応用したのがディジタルシンセサイザーである。

ファイル
 PCMで符号化された音声情報をファイルとして記録する場合、様々な形式のファイルが使われてきた。このようなファイルのことを「PCMファイル」という。
 現在は、Microsoft Windows標準であるWAVファイルによって管理することが多い。この形式は実際のデータ以外に、データに関する諸元(サンプリング周波数や量子化ビット数などの情報)が含まれる。
 MS-DOSの時代は、このような共通化されたフォーマットはなく、符号化されたデータをそのままファイルとした「データだけの」形式が一般的で、ファイル形式は拡張子で区別された。サンプリング周波数は環境によって概ね標準があったので、ビット長をPCMの後に付けてPCM4、PCM8、PCM16などと呼んだりもしていた。

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