ISO/IEC 10536
読み:アイエスオウ-アイイースィー-いちゼロごーさんろく
外語:ISO/IEC 10536

 非接触ICカードの国際標準規格の一つで、密接型。通信に使う電波周波数やプロトコルなどが決められている。
目次

概要
 小電力IC技術(RFID)の国際規格で、通信手段等を定めるもの。カード自体の大きさは、この規格では定めない。
 密接型のこの規格は、通信距離は約2mm程度であり、銀行のキャッシュカードのような接点付きICカードの代替として設計されている。
 姉妹規格に、近接型(10cmまで)のISO/IEC 14443や、近傍型のISO/IEC 15693などがある。

特徴

仕様
 広く普及している近接型や近傍型と異なり、4.91MHzの周波数で動作する。
 通信速度は9.6kbpsとかなり遅い
 遠隔から読み取られては困るようなセキュリティが必要となるICカードの非接触化が想定された規格である。

規格
 ISOでの規格は次の通り。

国内規格
 日本での規格は次の通り。

通信方式
 密着型の通信方式には次の二種類がある。
 類似の近接型/近傍型は電磁結合であるが、密接型は密着させるという特徴から、静電結合も可能である。
電磁結合
カードとリーダーライター装置のアンテナを静止状態で対向させ、電磁誘導によって通信をする方式。雨などの水濡れには強いが、鉄粉が生じるような環境では磁気が吸収されてしまうため通信ができなくなる弱点がある。
静電結合
カードとリーダーライター装置で各々金属箔の電極を設けてコンデンサーを形成し、静電誘導によって通信をする方式。コンデンサーは一方にプラス電荷をかけるともう片方はマイナス電荷が誘導される性質があり、この原理によって通信する。間に水滴などが入ると静電容量が変化するため通信ができなくなる弱点がある。

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