EPWING
読み:イーピーウィング
外語:EPWING: Electronic Publishing WING

 CD-ROMによる電子出版物の共通フォーマットを策定することを目的として、富士通ソニー、岩波書店、大日本印刷、凸版印刷の5社が1991(平成3)年に設立した団体。および、その団体で策定されたフォーマットのこと。
目次

概要
 団体と規格を分けて呼ぶときは、団体をEPWINGコンソーシアム、規格をEPWING規約という。

規格の起源
 EPWING規約は、1987(昭和62)年にリリースされたWINGフォーマットが元となる。WINGは富士通と岩波書店の電子辞書である「広辞苑CD-ROM」や、ソニーのデータディスクマンで使われていて、これをベースとして1991(平成3)年にEPWING第一版がリリースされた。
 規約内容はコンフィデンシャルであり、一般公開されていない。
 規約の一部は1996(平成8)年7月にJIS X 4081として規格化されたが、あくまで一部であり、この仕様だけでは既存の辞書を読む処理系を書くことは無理である。

規格のバージョン
 EPWING規約には次のようなバージョンが存在している。
V1EPWING V1.0文字と白黒画像、音声再生機能
V2EPWING V2.0カラー画像、圧縮音声再生機能対応
STEPWING V2.0 STカラー画像と音声の連続再生機能に対応
V3EPWING V3.0V2.0に加え、MPEG-1動画再生機能に対応
V4EPWING V4.0V3.0に加え、辞書圧縮に対応した(静的ハフマン)
V5EPWING V5.0V4.0に加え、JPEG画像表示、数式表示に対応
V6EPWING V6.0V5.0に加え、かな・カナインデックス共通化、高圧縮機能などに対応

特徴

規格の内容
 文字は、JIS X 0208に準拠したもののみが利用できる。JIS X 0212(補助漢字)や、JIS X 0213(第三水準・第四水準)には対応しない。
 画像は、V1ではモノクロ画像、V2以降でカラーBMP画像、V5以降でJPEG画像に対応した。
 音声は、PCMのみ。ステレオまたはモノラルで、8または16ビット。サンプリング周波数は11.025kHz・22.05kHz・44.1kHzからの選択である。
 仕様上はMIDIシーケンスデータも格納可能だが、再生できる実装があるのかどうかは不明。
 動画はMPEG-1で、Windowsでもそのまま再生可能な.MPGファイルが使われる。

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