CP/M
読み:スィーピーエム
外語:CP/M: Control Program for Microcomputers
ディジタルリサーチ
により開発された
オペレーティングシステム
(OS)。
目次
概要
特徴
用途
ディレクトリ
FATとの差
MSX-DOS
その後
概要
1974(昭和49)年に
8080
用として開発された。その後、後継となる8085や互換CPUである
Z80
などにも対応するよう改良され、
8ビットマイクロプロセッサー
用のOSとして普及した。
また、
8086
用の「CP/M-86」、
Motorola 68000
用の「CP/M-68K」など
16ビットマイクロプロセッサー
用も順次開発され、以降は8080用は「CP/M-80」とも呼ばれるようになったが、16ビット用としてはMS-DOSなどが普及したことから、CP/Mは廃れてしまった。
特徴
用途
CP/Mは、ディスクドライブの存在を前提としたOSである。
MS-DOS
よりも以前、MS-DOSが普及するまでの間に使われていた製品である。
ディレクトリ
CP/Mは階層ディレクトリ機能を持たない。
ディレクトリエントリ
には、8.3形式のファイル名と、そのファイルが用いているブロックの情報が格納される。ディレクトリエントリ一つあたりのサイズはMS-DOSと同じく32バイトだが、構造や使われ方は全く違っている。
FATとの差
CP/Mのファイルシステムは、ディレクトリエントリとファイルの配置情報が一体化していた。ファイルが大きくなると一つのディレクトリエントリに収まらなくなるため、この場合はディレクトリエントリを増やすことで対応した。
この仕様のため、大型のファイルを作成するとディレクトリエントリを浪費してしまうという欠点が存在した。
CP/Mを駆逐したMS-DOSでは、ファイルの配置情報は専用のテーブルである
FAT
とし、ディレクトリエントリと完全に分離した。FATファイルシステムでは、ディレクトリエントリにはファイル名と最初のブロックなどが格納されている。配置情報は最初のブロックのみだが、後のブロックはFATを辿ることによって知ることができる。従ってファイルの大きさに関わらず、ディレクトリエントリは、原則として一つのファイルあたり一つで済む。
ちなみにUNIXで一般的なファイルシステムでは、ディレクトリエントリにはファイル名のほか、配置情報として
inode番号
が格納される。
MSX-DOS
8ビット機として作られた
MSX
用の標準OSが
MSX-DOS
である。
MSX-DOSはZ80で動作するため、CP/Mとの互換性と、MS-DOSとの互換性に配慮したあいのことして開発された。ソフトウェアとしてCP/M互換とし、ディスクフォーマットはMS-DOS互換である。
MSX-DOS自体はMicrosoftオリジナルのOSでありCP/Mのバイナリは使われてはいないが、CP/M互換の内部ファンクションコールを用意し、ソフトウェア的にCP/M-80の
上位互換
として設計されている。
その後
ディジタルリサーチはその後Novell社に吸収された。さらにCaldera社(後に
SCO
に改称)に引き継がれ、Caldera CP/Mと改称された。
後に、Calderaの子会社として作られたCaldera Thin Clients, Inc.に移管され、後にこの子会社からスピンアウトしたLineo, Inc.へと権利は移っていったとされている。
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