ACPI
読み:エイスィーピーアイ
外語:ACPI: Advanced Configuration and Power Interface
Microsoft、Intel、東芝が提唱した電源制御(パワーマネージメント)の規格。
概要
家電の電源のON/OFF、省電力モードのON/OFFなどを、ソフトウェアから制御できる。
従来はBIOS(APM)により制御されていたものを、基本的なインターフェイスを定めることでオペレーティングシステム(OS)側が面倒を見るようにしたものである。
特徴
機能
ACPIは単なる電源管理だけではなく、OS主導により多様な機能を実現する。
- システム全体の電源管理
- 各デバイスごとの電源管理
- スタンバイ/サスペンドなどの制御
- 温度管理
- ファンの管理
- CPUの速度管理
ノートパソコンなどでは特に有用で、きめ細かな電源管理により、バッテリーの節約に大きく寄与している。
モード
マシンの稼働状態を6種類、動作状態は4種類が定義されている。
- S0 通常の稼働状態
- S1 省電力モード (プロセッサー、チップセットは共に電源オン)
- S2 省電力モード (プロセッサーは電源オフ、チップセットは電源オン)
- S3 スタンバイ状態
- S4 休止状態
- S5 ソフトウェアによる電源オフ
対応する動作状態は、D0からD3までの4段階で設定され、D0が完全動作状態、D3が停止状態、D1/D2はその中間状態である。
デバイス マネージャーで概観する限りでは、S0=D0、S3/S4/S5=D3であり、S1/S2は殆どが未指定のものが多い。S1/S2が定義されるデバイスは、S0=D0、S1/S2/S3/S4=D2、S5=D3がよく見られる。
これが意味するところは、例えばシステムの電源状態を通常の稼働状態(S0)に戻すとき、フレームワークは、デバイスの動作状態をD0に戻すようデバイスドライバーに要求するように動作する。
版
- ACPI 1.0 (1996(平成8)年12月) ‐ 16ビットおよび32ビットアドレッシングに対応する初版
- ACPI 2.0 (2000(平成12)年8月) ‐ 64ビットアドレッシングとマルチプロセッサーに対応
- ACPI 3.0 (2004(平成16)年9月) ‐ シリアルATA、PCI Express、256を超えるマルチプロセッサーなどに対応
- ACPI 4.0 (2009(平成21)年6月) ‐ USB 3.0、論理プロセッサーのアイドリング、x2APICに対応
- ACPI 5.0 (2011(平成23)年12月)
これ以降の仕様策定はUnified EFI Forum(UEFI Forum)に移管された。
- ACPI 5.1 (2014(平成26)年7月) ‐ CPPC(Collaborative Processor Performance Control)に対応
- ACPI 6.0 (2015(平成27)年4月) ‐ CPPC2に対応
- ACPI 6.1 (2016(平成28)年1月)
- ACPI 6.2 (2017(平成29)年5月)
- ACPI 6.3 (2019(平成31)年1月)
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