Cygwin
読み:シグウィン
外語:Cygwin
Microsoft Windows上でUNIXに近い環境を実現するソフトウェアツール。但しCygwinはエミュレーターではない。CygwinとはWindows上にUNIX APIとの互換環境を作り、その上にUNIX環境を作り出すツールである。
概要
UNIX APIの互換環境は、Cygwinの中核となるcygwin1.dllというライブラリが受け持っている。
このライブラリはUNIXのPOSIX APIの呼び出しを適切なWindowsのWin32APIの呼び出しにリコードする機能を持ち、この仕組みにより完全なWindowsアプリケーションとして動作でき、エミュレーター最大の欠点である速度の低下を克服している。しかし逆に、長い年月をかけて改善をしても、完全な互換環境を作り出せないという欠点も持つ。
特徴
互換性
完全互換ではないことから、UNIXのソフトウェアをCygwin上でコンパイルしてもエラーになってしまうことがある。
このため、主なソフトウェアでCygwin版が作成されていて、それらがcygwin1.dllとともにCygwinを構成するソフトウェア群である。GCCをはじめとする各種GNUツール、X Window SystemやPostgreSQL、Apache HTTP Server、TeXなどがある。
由来
Cygwinは、Windows上でもUNIXで使われているコマンドやソフトウェアを使いたいという要望を受けて、GNUソフトウェアのサポートを行なっていたCygnus Solutions社が中心となって開発したものである。
「Cygwin」の名称は「Cygnus for Windows」を縮めたものである。そしてCygnusそれ自身は「Cygnus, Your GNU Supoort」という意味の再帰的頭字語である。
1995(平成7)年に公開された最初のバージョンでは互換性・安定性に大きな問題があったが徐々に問題を解決し、現在では9割の互換性を持ち、ソフトウェアも有名どころはほぼ網羅できている。なおCygnus社は2000(平成12)年にRed Hat社に買収され、Cygwinの開発も同社に引き継がれている。
動作環境
CygwinはWindows 95系でも動作する。
しかし、OSのパフォーマンスや安定性、そして動作検証がWindows NT系で行なわれていることから、Windows NT系のOSを用いるのが好ましい。
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