TeX
読み:テフ
外語:TeX
スタンフォード大学
のドナルド・エルビン・クヌース(Donald Ervin Knuth)が、数学論文の組版のために開発した文書整形・清書プログラム。
目次
概要
特徴
由来
用途
ライセンス
派生品
マクロ
バージョン
概要
正式には、「T
E
X」とEを少し下げて記述する。それが不可能の場合は、Eを小文字に「TeX」とする。
"TeX" の名は、ギリシャ語の "Τεχνολογι'α" (英語でTechnologyの意)の最初の3文字から取られた。
'X' はドイツ語のBach(バッハ)の'ch'のように後舌面を硬口蓋に近づけて発音する、つまり「テフ」と読むのが正統であるが、発音が難しい場合は英語風に「テック」でも良いとしている。
英語
ではBachをバック、音速のMach(マッハ)をマークと読むくらいなので、英語圏ではTeXはテックと読むのが一般的になった。
特徴
由来
当時、教授が執筆中だった "The Art of Computer Programming" が電子組版されることになったが、その印刷の完成度に失望した教授が自ら組版の歴史を徹底的に調べ上げ、作成した。
主に数学や科学論文の記述に適しており、書体や文字サイズ等の体裁の指定やキーボードにない文字、数式のための記号等は
テクストファイル
の中にコマンドとして記述する。
用途
TeXとは、専用の
マークアップ言語
と、その処理系である。
専用のマークアップ言語で書かれたTeX文書は、TeXコンパイラーによってDVI(Device Independent)と呼ばれるバイナリファイル形式に変換される。
DVIファイルは出力装置に依存しない形で印刷情報を持った中間形式であり、印刷も
ドットプリンター
から電算写植機まで、ドット数以外は全く同じイメージで出力が可能である。
実際の画面表示や印刷は、それぞれの出力装置に対応した専用のプログラムを使う。
ライセンス
TeXはオープンソースのフリーソフトとして公開されている。
また、紛らわしい名前を付けなければ、派生品の公開も許可されている。
派生品
オリジナルのTeXは、日本語の版組には対応していない。
日本語組版処理を可能としたTeXには、次のようなものがある。
アスキー日本語TeX(pTeX)
NTT JTeX
マクロ
本来のTeX(virgin TeX)は文字の種類や空白の量などを指定する基本的な機能しか備えていないが、高度なマクロ機能によって機能を拡張することが可能となっている。
例えば、クヌース自身の手によるTeXはplain TeXと呼ばれるのに対し、レスリー・ランポート(Leslie Lamport)により改良され、章・節といった論理単位で文章を記述できるようにしたマクロパッケージが
LaTeX
である。現在、日常的な文書をTeXで書く場合はplainよりもこのLaTeXが一般的で広く使われている。
この他にも、様々な需要に応じたマクロパッケージが存在する。
バージョン
バージョン3以降は、新機能の追加はなく、不具合の修正に努めるとしている。
こうして、バージョン番号は、3.14、3.141、3.1415、… のように更新ごとに
円周率
に近づいており、そしてクヌースの死後、バージョン
π
となり、TeXのバージョンアップは終了するとされている。
TeXは2008(平成20)年3月の更新 3.1415926 を最後に長く更新がなかったが、2014(平成26)年1月に新バージョン 3.14159265 が公開された。
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