携帯音楽プレイヤー
読み:けいたい-おんがく-プレイヤー
外語:portable audio player

 内臓された半導体メモリーやハードディスクドライブに音楽データを記録し、それを再生する携帯音楽機器のこと。
 テープやMDなどを使用しないため小型軽量にできるほか、半導体メモリータイプなら物理的な駆動部分がないため衝撃に強く、揺らしても全く音飛びしないという利点がある。またテープ等と違い音質の経年劣化はなく、ランダムアクセスが可能なため目的の曲を瞬時に頭出しできる。
 使用される音楽データはパソコンのそれと同様で、mp3Ogg Vorbis、wma(Windows Media Audio)やMPEG-4 AACなどがある。
 このカテゴリーの黎明期はフラッシュメモリーにmp3を入れて使うタイプで、シリコンオーディオプレイヤー、あるいは当時はmp3くらいしか無かったことからmp3プレイヤーとも呼ばれていた。最近ではそのスタイル以外に小型ハードディスクを内臓した大容量型も普及し、また様々な形式のファイルに対応している。
 この機器はまず韓国で商品化された。世界初の携帯音楽プレイヤーは1998(平成10)年に韓国のセハン情報システムが発売したmpman MP-F35という製品である。しかし後に米国S3社の「Rio」に首位の座を明け渡し、その後は様々なメーカーの競争時代に突入した。この頃に著作権問題が勃発し、改善のために業界団体のSDMIが作られた。そして現在はApple ComputerのiPodシリーズが大きなシェアを持っている。
 さて、前述のS3やApple Computerという社名から分かるように、この機器はいわゆる音楽機器業界が作ったものではなく、パソコン業界が作り出した音楽機器である。そして外国産まれである。従ってあらゆる仕様が日本の音楽業界の利権の外にあり、このため日本でiPodが大いに喝采を浴びている昨今にあってもなお、日本の音楽業界はこの機器に対し良い印象を持っておらず、CCCDなど様々な妨害活動を繰り広げたが、CDの売上を落とすだけで失敗に終わっている。
 そもそもこの機器は、韓国で、ネットワークから不法に取得した音楽を聞く用途として発明されたものであると考えられる。実際にそのような行為が横行している韓国でこの機械は産まれたのであり、日本に輸入された時も、当時のパソコンユーザーはそのような用途に使うことを連想した。これは疑いないところである。しかし現在に至っても尚、携帯音楽プレイヤーに対してそのような見方しかできない日本の音楽業界は愚かである。現在はそれこそかつてのウォークマン等を持ち歩く感覚で、コンピューター業界の大御所Apple ComputerのiPodなどを持ち歩く若者が多くいるのであり、アメリカでは非常に良質な音楽を気軽かつ安価に購入して聞くことができるのである。

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