μITRON
読み:マイクロ-アイトロン
外語:μITRON: Micro Industrial TRON

 TRON仕様のリアルタイムオペレーティングシステム(OS)。
目次

概要
 ITRONおよびμITRONは仕様の名だが、この仕様に準拠したOSのこともITRONやμITRONという。日本における組み込み用OSのトップシェアであり、日本で最も使われているOSである。
 元々はITRONのサブセットとして小規模な組み込みシステム用に作られた。
 しかし、高性能マイクロプロセッサー向けの実装が増えたことから、μITRONは本家のITRONを吸収し、現在に至っている。

特徴

メモリー管理
 通常のμITRONはメモリー管理ユニット(MMU)を要せず、MMUの機能を有しない。
 カーネルアプリケーションが同一のメモリー空間で動作しており、メモリー保護などをしない。
 したがって、μITRONではOSのシステムコールを経ずにアプリケーションから直接デバイスドライバーを呼び出すことが可能で、のみならず直接ハードウェア資源を利用することもできる。

オブジェクト
 カーネルは、ID番号を付けてオブジェクトを管理する。
 オブジェクトは必要なだけ作ることができ、システムで利用できる。
 仕様にあるオブジェクトのうち、よく利用されるものは次の通り。

プロファイル
 μITRON4.0からは導入されたものがプロファイルである。

スタンダードプロファイル
 μITRONで最も一般的なプロファイルで、市販の実装はこのプロファイルに対応したものが多い。
 携帯電話機デジタルカメラカーナビゲーションシステムや、プリンターなどなど、様々な用途に利用される。
 これまでのITRONになかった、オブジェクトの種類や、その生成方法などを規定することで、実装間の最低限の互換性維持を実現させた。

自動車制御用プロファイル
 カーネルのオーバーヘッドやメモリー使用量の削減のため、機能のサブセット化やメモリー使用量を削減するための機能を追加したもの。

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