__int64
読み:アンダースコア-アンダースコア-イント-ろくじゅうよん
外語:__int64

 Microsoft C/C++が独自拡張で定義した予約語で、64ビット長の符号付き整数を宣言する。C/C++非標準の変数型だが、Borland C++Builder、その他の環境でこの変数型に対応している。
目次

概要
 物理的なサイズが明示された変数型であるため、異なるプラットフォーム間での移植性が向上するらしい。
 符号無しはunsigned __int64とすることで使用できる。
 C/C++標準およびGCCでは、一般的な型ではlong long型が事実上対応すると考えられる(但し、64ビット長という保証はない)。また、C99C++11からはint64_t(およびuint64_t)が相当する型として実装依存として追加されており、実装によって追加することが認められている。
 なお、古いVisual C++(Visual Studio 6.0など)では、__int64 には対応するが long long は未対応である。

特徴

32ビット環境でも利用可
 64ビット長の変数であるが、32ビット環境(Win32)でも使用できる。
 64ビット環境ならレジスター1本で済むが32ビットではそうはいかないので、メモリーを介した演算として内部で処理されている。従って、演算の手間が多いことから処理速度は遅いと考えられる。
 実際に、__int64に対応したVisual C++での32ビット環境での出力を例に挙げる。
 __int64 num;
 num = 0x1122334455667788i64;
 上の、__int64変数への代入は、下のように出力される。
 _num$ = -8
 mov DWORD PTR _num$[ebp], 1432778632
 mov DWORD PTR _num$[ebp+4], 287454020
 次に、この変数のインクリメントを例とする。
 num++;
 上の、インクリメントは、下のように出力される。
 mov eax, DWORD PTR _num$[ebp]
 add eax, 1
 mov ecx, DWORD PTR _num$[ebp+4]
 adc ecx, 0
 mov DWORD PTR _num$[ebp], eax
 mov DWORD PTR _num$[ebp+4], ecx
 このように、内部では32ビット×2で処理されていることが分かる。
 なお、Visual C++の場合、__int64もlong longも、(確認した範囲では)全く同じコードを出力している。

サフィックス
 数値の型を表わすサフィックスは、非標準だが次のものが使われる。

printf
 printfのフォーマット文字列は、次のようなものを用いる。
 Microsoft Visual C++ 2003では、%llx等では値を正常に表示できない。Microsoftの実装で対応するのはMicrosoft Visual C++ 2005以降である。

符号
 __int64は、標準ではsignedである。
 unsigned __int64として使用すると、符号無しの64ビット長変数となる。

マクロ定数
 limits.hにおいて以下の3個のマクロ定数が定義されている。これを利用すると、その環境での長さを得ることができる。
_I64_MIN
__int64型の最小値 (例えば-9223372036854775807i64 - 1)
_I64_MAX
__int64型の最大値 (例えば9223372036854775807i64)
_UI64_MAX
unsigned __int64型の最大値 (例えば0xffffffffffffffffui64)

関連
 Delphi(Pascal)では、signed __int64はInt64型が対応する。unsigned __int64は恐らく対応型が無い。

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