SRB-A
読み:エスアービーエイ
外語:SRB-A: Solid Rocket Booster-A
固体ロケットブースターA。
H-IIAロケット
用に開発され、後に
H-IIBロケット
/
イプシロンロケット
にも採用されたシリーズ。国産で、開発はIHIエアロスペースである。
目次
仕様
主要諸元
性能
特徴
種類
初期型
改良型
補足
着火シーケンス
仕様
主要諸元
全長: 15.2m(初期型)、15.1m(SRB-A/A改良型/A3)
外径: 2.5m
質量: 75.5トン〜76.5トン
推進薬質量: 65トン〜66トン
推進剤にポリブタジエン系推進薬HTPBコンポジットを使用する大型
固体燃料ロケット
で、H-IIAロケットの第一段(
LE-7A
)に連結して使用する。
性能
最大推力(真空中): 2,260kN前後
燃焼時間: 100秒(116cBeat)〜128秒(148cBeat)
真空中比推力: 280秒(324cBeat)〜283.6秒(328cBeat)
特徴
種類
H-IIロケット
用の
SRB
の改良型で、一目して分かるほどに全長が短くなっている。
実運用されたものは、次の種類がある。
SRB-Aの初期型(当初型)
(試験機1号機から6号機)
SRB-A改良型
(7号機から13号機)
SRB-A3
(14号機以降)
イプシロンロケット第一段
後継であるA改良型やA3も、通常はSRB-Aと称されていることから、SRB-Aはこれら様々な型式の総称と考えられる。開発中だったものに
SRB-A2
があったが、SRB-A改良型へと統合された。
またイプシロンロケットでは、堂々の第一段ロケットに採用された。こちらも仕様は大きく異なると思われるがSRB-Aと表記されている。
初期型
SRB-Aの初期型(当初型)
は、真空中で2本合わせて4,520kN(460トン)の推力を発生させる。
開発は1996(平成8)年度に開始され、2000(平成12)年10月4日に種子島宇宙センターで行なわれたSRB-A認定型モータ地上燃焼試験を終了し、無事に完成した。
2001(平成13)年8月29日16:00(@333)に
種子島宇宙センター大型ロケット発射場
より発射された
H-IIAロケット試験機1号機
(H-IIA・F1)で使用され、打ち上げは無事に成功した。
改良型
H-IIAロケット6号機
の失敗に伴い、SRB-Aは
仕様変更
の対象となった。この仕様変更以降のものは「
SRB-A改良型
」という。
これは単なる
不具合
修正というわけではなく、開発中だった
SRB-A2
(4本併用)の設計を取り込んだ、バランス調整も含まれている。
ノズルの形状の変更改良 (局所エロージョン対策)
コニカルノズル→ベルノズル
スロート出口径の拡大
推力パターンの最適化
推力を押さえて燃焼時間を伸ばす安全設計となり、このため若干の推力が落ちた。当初品は最大推力約2500kNだが、改良品は実測で2035kNである。代わりに燃焼時間と信頼性は高まっている。
推力パターンの最適化というのは、例えば初期推力最大は当初のSRB-Aと同程度とし、あとは徐々に推力減らす燃焼パターンである。これは時間経過とともにロケットの
質量
が軽くなるので、最大加速度を抑える、といったものである。
補足
着火シーケンス
第一段(
LE-7A
)だけでは推力が自重以下なので、SRB-Aに点火しないと発射台から浮上しない。よってSRB-Aは地上で点火される。
対して固体補助ロケット(
SSB
)は空中で点火される。
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