SH-3
読み:エスエイチスリー
外語:SH-3
かつて日立製作所の半導体部門(現ルネサス)の開発した組み込み用32ビットRISCマイクロプロセッサーコアの名で、SuperHシリーズの一つ。
概要
マイクロプロセッサーコアの処理性能は、クロック1MHzあたり1.3MIPSである。100MHz動作で130MIPS、133MHz動作で173MIPS、200MHz動作で260MIPSの処理速度を持つ。
なお、SH-3というのはあくまでもマイクロプロセッサーコアの名であり、SH-3という製品はない。様々な周辺回路を実装しパッケージ化したものが実際の製品である。名称は二通りあり、SH7xxxというのがグループ名で、この中で仕様に応じてHD64x7xxxという型名が付けられ、製品として販売されている。
現在入手可能なものに、次のようなものがある。
- SH7700シリーズ
- SH7705 (100〜133MHz)
- SH7706 (133MHz)
- SH7709S (100〜200MHz)
Microsoft Windows CEでもサポートされており、ジョルナダ680やカシオペアAシリーズなどで採用されている。
関連するシリーズは次のとおり。
特徴
仕様
- 32ビット汎用レジスター (16本、およびシャドウレジスター8本)
- 32ビット乗算器
- 32×32→64の乗算
- 32×32+64→64の積和演算
- 32ビットタイマー
- ADコンバーター (10ビット×8チャンネル)
- DAコンバーター (8ビット×2チャンネル)
- DMAコントローラー
- I/Oポート (8ビット×12本)
- シリアルコミュニケーションインターフェイス
- 割り込みコントローラー(INTC)
- ウォッチドッグタイマー (WDT)
- ユーザーブレークコントローラー(UBC)
- バスステートコントローラー(BSC) (ROM/SRAM/DRAM直結可能)
- リアルタイムクロック(RTC)
基本的なアーキテクチャー
SH-3は、SH-1と同様に32ビットの汎用レジスターが16本あり、16ビット固定長の命令セットを使うことでコード効率を高めている。
SH-3からは、新たに特権モード/ユーザーモードの動作モードに対応した。
命令はSH-2に対し、MMU制御命令、バレルシフト命令、プリフェッチ命令の計6種が追加され、68種となった。
新設されたDMULS.L/DMULU.L命令で、32×32→64の乗算が可能となった。
再検索