SH-2
読み:エスエイチトゥー
外語:SH-2
かつて日立製作所の半導体部門(現ルネサス)の開発した組み込み用32ビットRISCマイクロプロセッサーコアの名で、SuperHシリーズの一つ。愛称は「すーぱーえっち2」である。
概要
マイクロプロセッサーコアの処理性能は、クロック1MHzあたり1.3MIPSである。20MHz動作で26MIPS、28.7MHz動作で37MIPS、50MHz動作で65MIPS、80MHz動作で104MIPS、100MHz動作で130MIPSの処理速度を持つ。
なお、SH-2というのはあくまでもマイクロプロセッサーコアの名であり、SH-2という製品はない。様々な周辺回路を実装しパッケージ化したものが実際の製品である。名称は二通りあり、SH7xxxというのがグループ名で、この中で仕様に応じてHD64x7xxxという型名が付けられ、製品として販売されている。
現在入手可能なものに、次のようなものがある。
- SH7010シリーズ (SH7040のコンパクト版)
- SH7011 (20MHz)
- SH7014 (28.7MHz)
- SH7016 (28.7MHz)
- SH7017 (28.7MHz)
- SH7040シリーズ (最大256Kiバイトのフラッシュメモリー内蔵)
- SH7040 (28.7MHz)
- SH7041 (28.7MHz)
- SH7042 (28.7MHz)
- SH7043 (28.7MHz)
- SH7044 (28.7MHz)
- SH7045 (28.7MHz)
- SH7046シリーズ
- SH7046 (50MHz)
- SH7048 (50MHz)
- SH7101 (40MHz)
- SH7104 (50MHz)
- SH7106 (50MHz)
- SH7108 (50MHz)
- SH7148 (50MHz)
- SH7047シリーズ (CAN I/F搭載)
- SH7047 (50MHz)
- SH7049 (50MHz)
- SH7105 (50MHz)
- SH7107 (50MHz)
- SH7109 (50MHz)
- SH/Tinyシリーズ (モータ制御家電用)
- SH7125 (50MHz)
- SH7124 (50MHz)
- SH7144シリーズ
- SH7144 (50MHz)
- SH7145 (50MHz)
- SH7146シリーズ
- SH7146 (80MHz)
- SH7149 (80MHz)
- SH7147シリーズ (CAN I/F搭載)
- SH7080シリーズ
- SH7083 (80MHz)
- SH7084 (80MHz)
- SH7085 (80MHz)
- SH7086 (80MHz)
- SH7606グループ
- SH-Etherシリーズ
- SH7618
- SH7618A
- SH7619 (125MHz)
- (SH7650(開発中) (DTCP-IP対応))
セガサターンでは、初期型でSH7604相当のHD6417095ニ個が、後期型で2チップが統合されたHD6417098が、CPUとして使われた実績がある。
関連するシリーズは次のとおり。
特徴
仕様
- 32ビット汎用レジスター (16本)
- 32ビット乗算器
- 32×32→32の乗算
- 32×32+64→64の積和演算
- 16ビットタイマー
- ADコンバーター (10ビット×8チャンネル)
- DMAコントローラー
- I/Oポート
- シリアルコミュニケーションインターフェイス
- 割り込みコントローラー(INTC)
- ウォッチドッグタイマー (WDT)
- メモリーインターフェイス機能 (SRAM/DRAM直結可能)
- ユーザーブレークコントローラー(UBC)
- バスステートコントローラー(BSC)
基本的なアーキテクチャー
SH-2は、SH-1と同様に32ビットの汎用レジスターが16本あり、16ビット固定長の命令セットを使うことでコード効率を高めている。
アドレスバスは32ビットであるため、理論上は最大で4Giバイトまでのメモリー空間が利用できるが、実際にメモリーを接続できる空間はより狭い。
命令は62種類で、SH-1に6個の新命令が追加された。うち基本命令は1命令/1ステート(20MHz動作時は50ns/命令)で処理される。
乗算器も32ビットとなり、32ビット×32ビット+64ビット→64ビットの積和演算に対応した。
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