黒質
読み:こくしつ
外語:substanitia nigra
中脳に分類される、脳の一部。
概要
中脳のうち、広義の大脳脚に含まれる中脳被蓋の中で黒灰色に見える部位のこと。
ニューロメラニンという黒い色素を含んだ細胞が沢山集まっているため、黒く見える。
黒質は、次のように分けられる。
特徴
機能
黒質緻密部で神経伝達物質の一つドーパミンが作られ、これが脳の深部にある線条体へと送られる。
線条体はこの修飾を受け、大脳基底核の出力部(黒質網様部や淡蒼球内節)に直接、または介在部(淡蒼球外節や視床下核)経由で出力部へ、運動を決定する信号が出力される。
黒質は一応解剖学上は中脳の一部であるが、その機能的側面から線条体との関係が深く、大脳基底核に含める考え方もある。
損傷
もし黒質‐線条体の経路が遮断されると、線条体のドーパミン濃度が低下し、パーキンソン病となる。この疾患は難病であり公費対象である。
多系統萎縮症の一つとして線条体黒質変性症があり、黒質の機能が低下または停止し、パーキンソン病に似た症状のパーキンソニズムを罹患する。この疾患も難病であり公費対象である。
また覚醒剤を常用した場合も黒質変性を招くとされ、パーキンソニズムと同様の症状を来たす。蔑称で廃人とも。明らかに自己責任だがこれが公費対象になるのかは定かではない。
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