静脈注射
読み:じょうみゃくちゅうしゃ

 (薬物などを)静脈注射すること。
目次

概要
 いわゆる注射のうち、最も深く針を差し込む注射方法である。静脈に針を刺して血管中に直接薬剤を流し込む。
 病院などでは、薬品を注射器や点滴器具によって静脈に注射する。

特徴

血管
 静脈注射は一般に、上肢では肘正中皮静脈、前腕正中皮静脈、尺側皮静脈、撓側皮静脈、あるいは手背の皮静脈に行なわれる。

薬液の流れ
 末梢神経から注入された薬液は、右心、肺循環、左心、体循環という経路で全身に行き渡る。
 静脈注射は筋肉注射や経口投与などと比して血中濃度の立ち上がりと減少がともに早いのが特徴となり、このため生命に危険のある副作用を起こす可能性も高い。従って充分な注意をもって観察することが必要となる。

利点など
 迅速・確実な薬効が必要な場合、経口投与できない場合、または静脈内にしか投与できない薬剤(消化管から吸収できない薬剤)の場合に静脈注射が行なわれる。
 血管に対し針を差し込まなければならないという危険な行為が必要になるが、経口投与などと違い余計な経路を通らず直接血中に薬液を入れることができる。このため即効性があり、即時、強力に作用する。

補足

法律上問題がある行為
 「法律上問題のある薬物」を注射する行為も稀によくあり、法律上問題があるため時々逮捕されニュースとなる。
 これも、注射器(俗称 ポンプ、キー)を用いて「法律上問題のある薬物」を静脈に注射することがある。またこの行為自体は、俗に「突き」や「ニードル」という。
 ただ、静脈注射までするのはかなり末期のジャンキーである。静脈注射は即時、強力に作用するが、このため依存症も引き起こしやすい。ちなみに麻薬覚醒剤というと注射というイメージがあるが、実際は必ずしもそうではなく、注射までするのは本当のヤク中が多い。
 古くはガラス製の注射器が使われたが、近年ではインシュリン注射用の使い捨てタイプが、量の調整もしやすいということで普及しているとされている。

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