酸素燃焼過程
読み:さんそねんしょうかてい
外語:Oxygen-burning process

 末期の恒星にて行なわれる核融合反応の一つ。
目次

概要
 酸素同士が融合する核融合反応。大質量星でのみ起こり、一説では、高温(1.5×109Kまたは130keV以上)、高エネルギー密度(10×1010kg/m3以上)が必要となる。
 ネオン燃焼過程まで終了し、恒星核の温度が低下するとさらに恒星核は収縮、これに伴い温度と密度が高まり、酸素燃焼過程が始まる。
 酸素燃焼過程は、その恒星の質量によって、僅か数日から5年間程度まであるとされ、重く高密度の星ほど早く進むとされるが、いずれにしても天文学においては決して長いとはいえない時間である。

特徴

反応
 すべて、酸素2原子から作られる(nは中性子)。
 時には次のような反応も起こりうるようだ。
 酸素燃焼過程で、恒星には珪素の核が形成される。珪素の核ができた時点ではまだ次の反応に進むだけの温度と圧力がないため、この時点ではこれ以上は反応しない。
 しかし酸素が消費し尽されると、恒星核は再び収縮を始める。そして高温高圧になると、ついに恒星は最後の反応である珪素燃焼過程を始める。

対不安定
 酸素燃焼過程においては、生ずるγ線(光子)やニュートリノ放出による放射圧も、重力に反して星を支えるために重要な役割を果たしている。
 ただγ線はエネルギーが大きいために、頻繁に原子核に衝突して電子と陽電子の対を対生成し、それらは速やかに対消滅し再び光子を生じるという反応を繰り返す。これらの反応が恒星の温度上昇を招き、温度が上昇するほどγ線のエネルギーが増してゆくため、対不安定という状態になる。
 太陽の140倍程度までの質量であれば、対不安定状態でも星全体を吹き飛ばすほどの反応にはならないとされるが、太陽の140倍から250倍程度の質量があると、対不安定型超新星爆発が発生し、星全体が崩壊するとされる。この爆発で崩壊してしまうと、後にはブラックホールなども残らないとされる。
 なお、太陽の250倍を超えるような大質量星の場合は光崩壊という別の過程が進む。

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