酢酸鉛
読み:さくさんなまり
外語:Lead acetate

 の酢酸塩。大きく狭義の酢酸鉛である酢酸鉛(II)と、四酢酸鉛とも呼ばれる酢酸鉛(IV)がある。
 CAS番号301-04-2(無水物)。劇物指定。
目次

酢酸鉛(II)

物質の情報
 分子式C4H6O4Pb・3H2O、構造式(CH3COO)2Pb・3H2O、分子量379.34。融点280℃。CAS番号6080-56-4、ICSC番号0910。

物質の特徴
 二酸化鉛PbO2酢酸に溶かして作られる。標準状態では無色の単斜晶系結晶または白色粉末。
 鉛糖とも呼ばれ、甘味があるが猛毒である。主に、鉛化合物の製造、染色助剤、湿布剤として使われる。
 通常は3水和物であるが、75℃で結晶水に溶け、無水物となる。水、アルコール、グリセリンによく溶ける。

酢酸鉛(IV)

物質の情報
 分子式C8H12O8、構造式(CH3COO)4Pb。融点175℃。CAS番号546-67-8。

物質の特徴
 四三酸化鉛Pb3O4を酢酸に溶かして塩素を通じ、蒸発結晶させ、酢酸から再結晶して作られる。
 Pb3O4+12CH3COOH+2Cl2→3(CH3COO)4Pb+4H2O+4HCl
 標準状態では分子格子の単斜晶系結晶。加水分解すると二酸化鉛PbO2になる。
 有機化学で酸化剤として使われる。

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