臍帯血
読み:さいたいけつ

 臍帯(へその緒)の中を流れる血液のこと。胎児胎盤を還流している血液で、つまり新生児末梢血液と同じである。
目次

概要
 この血液は、白血病の治療などに有用である。
 白血病治療等に使われる移植用の臍帯血は、新生児出産後に臍帯を切ったあと、胎盤と臍帯の臍帯血管(動脈静脈)に残っている血液をいう。

特徴

採取
 分娩後の胎盤は廃棄処分されるが、胎盤に残った臍帯血は採取される。
 この血液中に含まれている造血幹細胞を移植して骨髄造血機能を再生させるのが、臍帯血細胞移植と呼ばれる治療法である。
 一回で採取できる臍帯血はおよそ80ml程度と少量であるが、この中に含まれる造血幹細胞は極めて量が多くかつ増殖能力が高く、骨髄移植の際に摂取する骨髄液の1/2〜1/3の量で、移植に必要な細胞がまかなえる。
 しかも臍帯血採取は簡単で危険は全くなく、提供者(母親と新生児)に対する負担が一切無いのもメリットである。

保存
 実際に移植するには、骨髄移植と同様にHLAが合わねばならない。
 従って、採取してもすぐ使えるというわけではない。
 臍帯血は遠心分離機に掛けられて赤血球を除き、凍害防止剤を混合してレシピエント(受給者)が現われるまで冷凍保存される。

再検索