積層電池
読み:せきそうでんち
高電圧や大電流を得るために、複数の電池を組み合わせて作られた電池。
概要
電池は、直列につなぐと電圧が高くなり、並列につなぐと得られる電流が大きくなる。そこで、積層電池は電池を複数直列または並列にし、それを一つの容器に収めている。
直列または並列にするために一つ一つの電池が小さくなるため、積層電池は容量が小さくなってしまう。
そこで、リチウム電池や酸化銀電池など小さくても容量の大きい電池を組み合わせて容量を実現するものもある。
特徴
由来
一般向けの積層電池としては、「006P」がよく知られる。
これは、当時最小のラジオ「TR-63 ポケッタブルラジオ」で使用するために開発されたもので、1.5Vのマンガン電池やアルカリ電池が6個直列にして収められている。
ラジオ用として使われることは稀になったが、手軽に高電圧が得られるため、現在でも玩具などでよく使われている。
主なもの
ある程度使われていることが知られているものは次の通り(順不同、概ね用途分類)。
どれも特殊用途用であり、ゆえに「こんな電池まだ売っているのか」と不安になるようなものしかない。実際、そう遠からず消えそうなものも多い。
- 玩具、ラジオ等
- 006P(6F22、6LF22、6LR61、1604) (9V)
- 4AA(4R6、4LR6) (6V) 単3形を4本直列にした大型の角型電池。互換性のある電池ホルダーも存在する
- 防犯機器、無線式玄関チャイム、キーレスエントリーなど
- 23A(LRV08) (12V) 無線式玄関チャイムなどに多い
- 27A (12V) 防犯用ブザーなどに見られる
- 32A (9V) 同上
- カメラ用
- 2CR5(2CR-5W) (6V)
- 4LR44 (6V) アルカリ電池の場合。他種電池の同形状品に、4SR44(酸化銀電池)、2CR-1/3N(二酸化マンガンリチウム電池)がある
- 通信用
- 平3形(FM-3) (1.5V)
- 平5形(FM-5) (3V) 同上
- カメラフラッシュ用
- 0180 (270V)
- 0210 (315V)
- 0304 (456V)
- 0340 (510V)
- 真空管用やカメラフラッシュ用
- 10F20 (15V) ‐ フラッシュ用
- BL-015(15F20) (22.5V) ‐ 真空管ラジオ、フラッシュ用
- NC706 (24V) ‐ FDKの製品で、BL-015(15F20) 互換とされている
- BL-030 (45V) ‐ 真空管ラジオ B電源用のB電池
- BL-045 (67.5V) ‐ 真空管ラジオ B電源用のB電池
- 懐中電灯用
- 3R12 (4.5V) 欧州でIEC標準となっている。3R12(マンガン)、3LR12(アルカリ)のほか充電池もある
- 4R25 (6V) 欧州でIEC標準となっている4R25(マンガン)、4LR25(アルカリ)のほか充電池もある
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