準安定同位体
読み:じゅん-あんていどういたい

 同位体のうち、安定同位体のように安定してはいないが、放射性同位体のように不安定でもない状態の同位体。
目次

概要
 原子核が、エネルギー準位が安定状態よりも高い励起状態のまま保ってしまったものをいう。
 一般に励起状態は不安定であり長く維持することはできない。過剰なエネルギー電磁波(γ線)として放出され基底状態へと落ち着き、この時に準安定同位体は安定同位体となる。

特徴

核異性体
 準安定同位体は、質量数にmをつけて表現する。同じ質量数で準安定同位体が複数ある場合は、m1、m2、m3、のように連番をつけて表わす。
 こういった関係を「核異性体」といい、原子番号と質量数は同じで、エネルギー準位のみが異なる。

IT崩壊
 例えば、113Inと113mInが互いに核異性体である。
 113mInにはいくつかの崩壊モードがあるが、その多くはIT崩壊を起こして113Inへと変化する。この際に放出されるのはγ線であるため、原子核原子番号質量数は変化しない。

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