準天頂衛星システム
読み:じゅん-てんちょう-えいせい-システム
外語:QZSS: quasi-zenith satellites system

 日本で、常に天頂付近に一機の衛星が見えるように人工衛星を配置して利用する衛星システムのこと。
目次

概要
 衛星による測位システムは、測位、測量、天気予報、カーナビゲーションシステムや携帯電話機による道案内、ロボット制御、ネットワークの時刻同期まで、様々な分野で使われている。
 既に生活と切り離せないものとなっているが、GPSはアメリカの軍事衛星で費用は全てアメリカ持ちである。このため広く使うためには、その費用負担についての問題が生じてきた。
 準天頂衛星システムは、GPSを補うための日本の人工衛星システムである。

特徴

準天頂
 静止衛星の場合、衛星は赤道上にあるため、その方角が開けていないと電波が届かない。だが、都心部のように高層ビルが建ち並ぶところや、山中などでは絶望的である。
 準天頂は、日本のほぼ真上に常に見えるように衛星が配置されるため、ビルや山に影響されず、国内のほぼ100%を網羅できる、高精度の衛星測位サービスが提供できる。

効果
 準天頂衛星システムは、アメリカのGPS衛星(ナブスター)の同等品ではない。ナブスターは軍事衛星であるため、アメリカは売ってはくれない。従って、この衛星はナブスターではないが、同様の機能を持つ。
 既存のGPSと併用することで、カーナビゲーションシステムや携帯電話機の測位は、誤差20cm程度にまで精度が高まるとされる。

費用
 日本政府が2003(平成15)年度から計画したプロジェクトで、元々は官民が資金を拠出して人工衛星3機で日本上空を24時間網羅する予定だった。
 しかし民間側が採算性を理由に資金拠出を見送る決定をしたことから、まずは日本政府が1機、打ち上げることにした。
 一機目は、衛星の製造と打ち上げなどの総費用は330億円と見込まれており、2010(平成22)年9月11日にみちびき(QZS-1)が打ち上げられた。

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