欠失変異
読み:けっしつへんい
フレームシフト突然変異の一種で、遺伝子のある部分のDNAやRNAが欠けること。
概要
遺伝子はトリプレット構造であるので、3ヌクレオチド1組として解読される。このため例えば途中に1塩基のみが欠失されるような状況になると、以降のDNAまたはRNAは全てずれて読まれてしまい、作られるアミノ酸配列は全く異なるものになる。これをフレームシフトという。
従って、この変異が起こると遺伝子は失活、あるいは活性が弱まるなど時に致命的な影響をもたらし、いわゆる遺伝病を発症する事になる。
特徴
影響
遺伝子が変異してしまうと、ここから本来作られるべき蛋白質を、作ることができなくなってしまう。
この変化を起こした細胞は、増殖や運動性を抑える蛋白質を産生する遺伝子がなくなったり機能が低下し、がん細胞の増殖性や運動性を獲得するようになる。
疾病例
例えば小児の失明の原因ともなる網膜の「がん」は、13番染色体の長腕に欠失が見られる。
また小児のある腎臓がんでは11番染色体に欠失が、ある神経のがんでは22番染色体に欠失が見られたという報告がある。
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