拒絶反応
読み:きょぜつはんのう
体内に入った異物を排除しようとする免疫反応のこと。
概要
輸血や臓器移植などをすると、免疫機能により他人の細胞を攻撃する反応が起こる。これが拒絶反応である。
そこで、術後はタクロリムス、サイクロスポリン、ステロイドなどの免疫抑制剤を投与し、免疫機能を抑制する。
特徴
免疫反応
臓器移植の場合、移植臓器を他の細胞と見なし、移植された本人の免疫機能がその臓器の攻撃を始めるという拒絶反応が起こる。そのまま放置すれば、移植した臓器などは免疫によって破壊され、折角移植した臓器が失われて患者も死亡することになる。
輸血の場合は臓器移植の場合とは逆に、輸血した血液中に含まれるリンパ球が、輸血を受けた人の細胞を他人の細胞と判断して攻撃することから拒絶反応が起こる。そこでこの拒絶反応を減らすために、輸血用血液からリンパ球を除去したり、放射線照射をするなどの加工をすることが多くなった。
免疫制御
移植を受けた場合、薬は一生飲み続けなければならないが、日を経るにつれ拒絶反応は弱まるため、免疫抑制剤の投与量は徐々に減らすことができる。
このため免疫抑制剤による副作用は徐々に減らしていくことができ、また一般の感染症に対する抵抗力も徐々に回復することが出来る。
免疫抑制剤によって、95%程度の人は拒絶反応の制御が可能であるが、5%程度、拒絶反応の制御が出来ない患者もあり、この場合には再移植が必要となることもある。
移植直後
移植直後、特に移植後数ヶ月間は、免疫抑制剤を多く投与する必要があり、感染症を罹患しやすい。ここで感染症を患ってしまうと、最悪の場合で命を落とす危険もある。
このため感染症の予防のために、特に移植後数ヶ月間は、人混みを避ける、動物との接触を避ける、身体を清潔に保つ(手洗い、うがい)、生ものを食べない、といった様々な制限が課せられる。
しかし移植後、1〜2年も経つと、普通の人と殆ど変わらない生活が可能になり、社会復帰が可能となる。
再検索