尿蛋白
読み:にょう-たんぱく

 尿中に、多量の蛋白が含まれる疾病。およびその含まれた蛋白のこと。
目次

概要
 正常尿中であっても、1日に40mg〜120mg程度の蛋白が排泄されている。これが1日に150mg以上の場合、異常であるとされている。
 正常であっても、運動、発熱などにより増加する。病的蛋白尿としては、腎臓障害(障礙)によるもの(腎炎、ネフローゼなど)、尿路性のもの(尿路感染症、結石、腫瘍)などがある。
 腎疾患の場合、初期には尿中蛋白質が出現し、尿蛋白定性試験が陽性となることが多い。但し蛋白の濃度と疾患の重篤度は必ずしも相関しない。

病態
 検査で尿蛋白が陽性となっても、それ以降ずっと出ないなら問題はない。
 しかし、時々であっても出続けるようなら、注意が必要である。
 なお、尿が泡立つと蛋白が混じっている、などと言われるが、これは俗説であり医学的根拠はない。

測定法
 尿蛋白の測定法には主として二通り、比濁法と比色法がある。

比濁法
 比濁法はスルホサリチル酸等の酸による沈殿を利用する方法である。

比色法
 比色法はpH指示薬の蛋白誤差現象を利用した呈色反応で測定する。
 例えばテトラブロモフェノールブルーの場合は変色範囲はpH3〜4程度だが、蛋白質があると変色点が変わりpH2〜3程度に移動する。
 この現象を利用し、尿蛋白試験紙にはテトラブロモフェノールブルーとpH3に調整されたpH緩衝剤を染み込ませてあり、蛋白がある場合は黄色からあるいはへと変色するように調整されている。

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