原始大気
読み:げんしたいき
誕生したばかりの地球である原始地球の大気。
概要
地球が誕生したばかりの頃に作られた大気は、現在の地球の大気とは全く違っていた。
微惑星が衝突し合体して次第に大きな惑星が作られていく中で、微惑星が衝突する際に中に含まれていたガス成分が蒸発し放出され、これが原始地球の周囲に溜まり大気を形成したとする説が有力である。このガスを「衝突脱ガス」という。
その後、生物の誕生など様々な状況変化があり、長い年月を掛けて現在の大気成分へと変化していった。
特徴
成分
成分は諸説ある。
原始大気は、海を作るだけの水分を含んでいた、つまりの主成分は水蒸気であると考えられている。
また他に、二酸化炭素、窒素、一酸化炭素などを含んでいたと考えられている。特に二酸化炭素は大量に大気中に存在していたと考えられている。また当初は、酸素は存在しなかった。
二酸化炭素
現在の地球の大気成分は、窒素(N)が78%、酸素(O)が21%であり、二酸化炭素は僅か0.03%程度に過ぎない。
大気中にあった二酸化炭素は消えたわけではなく、現在では形を変えて存在している。
二酸化炭素は水に溶けやすいため、大気中から海に溶けていった。そして海水中には地殻中に含まれていたカルシウム(Ca)も流れ込み、この両者を海水中に誕生した生物、例えば珊瑚が外骨格として石灰(炭酸カルシウム、CaCO3)に固定化し、徐々に大気中の二酸化炭素は減っていった。
酸素
原始大気には酸素は含まれていなかった。
酸素は、約31億年前に光合成する原核生物が出現して以降である。光合成によって作られた酸素は海水中に放出された。
初期には、酸素は海水中の鉄イオンと結合して酸化鉄を作り、これが海底に沈殿して鉄鋼石を作った。
やがて海水中の鉄イオンがなくなると、余った酸素が徐々に大気中に放出されるようになり、大気中に酸素が増えていった。さらに時は流れ、約20億年前に酸素大気中に蓄積し、オゾン層が作られると、太陽紫外線が遮断されるようになり生物は地上でも暮らせるようになった。
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