前立腺
読み:ぜんりつせん
外語:prostate gland
雄性生殖器の一部。雄性の膀胱の出口にあり、尿道を取り巻いている。このため泌尿器にも属している。
概要
最も重要な働きは前立腺液の分泌で、精嚢が分泌する精嚢液と混合して精漿を作り、さらに精子とともに精液を作る。前立腺液は、精液の約3割を占める。
精漿は精子に栄養を与え活動を活発にする働きがあるので、前立腺は雄性生殖機能の重要な器官といえる。
特徴
構造
前立腺は大きく外側の外腺と内側の内腺に別れる。
精液の約3割を占める前立腺液を分泌するのが外腺で、前立腺がんは外腺に多く発生する。
また年齢と共に肥大して前立腺肥大症を発症するのが内腺で、排尿困難などの症状をきたす。前立腺肥大症も実態は腫瘍であるが、良性の腫瘍である。
肥大症
肥大症は、触診で大きさを診察することがある。
なお、前立腺の触診は直腸診、つまり医師が手袋をして肛門から人差し指を入れてぐりぐりする手法である。
その際、その大きさは、慣例で小さい方から以下のように表現される。
- 正常 (または、触れない)
- クルミ大
- 小鶏卵大
- 鶏卵大
- 鵞卵大
摘出手術
前立腺がんなどが生じた場合で、悪性度が高い場合は、前立腺を外科手術で摘出することがある。
その場合は当然ながら、精液の一部である前立腺液を作ることができなくなるが、その他にも、尿漏れしやすくなる、勃起障害が起こる、といった合併症がある。
勃起障害になるのは、前立腺摘出の際に神経を切断せざるをえない場合があるためである。可能な限り神経を温存するような手術がなされるが、がんの位置によっては無理なこともある。
また術後、ED治療薬(バイアグラ、レビトラ、シアリスなど)を用いることで勃起能力に改善が見られたとする報告もある。
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