中間子
読み:ちゅうかんし
外語:meson
クォークと反クォークで構成される粒子のこと。ハドロンの一種。メソン、メゾンともいう。
概要
全ての中間子はボース粒子でスピン量子数は0、1、2などの整数であり、フェルミ・ディラック統計に従う。
また、パウリの排他原理は適用されない。
特徴
不安定な素粒子で安定した粒子は一つもなく、10−6〜10−16秒程度で自然崩壊する。質量は陽子と電子の中間。
クォークと反クォークにはそれぞれ3種類の色荷と呼ばれる電荷のようなものが存在し、補色同士(R+反R、G+反G、B+反B)を組みあせると白色状態を作ることが可能である(量子色力学)。
このようにクォークと反クォークを組み合わせてできる白色状態を中間子(メソン)と呼び、このクォークと反クォークを結びつける力をグルーオンという。
中間子の種類
主な中間子に、次のようなものがある。
構成は[]で併記した。構成は正粒子のものであり、反粒子は逆の粒子で構成される。なお、構成中のc1とc2は係数。
対応する反粒子は、()カッコで併記した。自分自身が反粒子でもあるものは、略した。
- アップ+ダウン
- π中間子
- π+ [u ̄(d)] (π−)
- π0 [1/√2(u ̄(u)−d ̄(d))]
- η中間子
- η [c1(u ̄(u)+d ̄(d))+c2s ̄(s)]
- その他
- ρ(770)+ [u ̄(d)] (ρ−)
- ρ(770)0 [1/√2(u ̄(u)−d ̄(d))] (ρ0)
- ω(782) [c1(u ̄(u)+d ̄(d))+c2s ̄(s)] (ω)
- η'(958) [c1(u ̄(u)+d ̄(d))+c2s ̄(s)] (η')
- φ(1020) [c1(u ̄(u)+d ̄(d))+c2s ̄(s)] (φ)
- K中間子
- K+ [u ̄(s)] (K−)
- K0 [d ̄(s)] ( ̄(K)0)
- D中間子
- D+ [c ̄(d)] (D−)
- D0 [c ̄(u)] ( ̄(D)0)
- D+s [c ̄(s)] (D−s)
- B中間子
- B+ [u ̄(b)] (B−)
- B0 [d ̄(b)] ( ̄(B)0)
- B0s [s ̄(b)] ( ̄(B)0s)
- Υ中間子
- Υ(1s) [b ̄(b)]
- Υ(2s) [b ̄(b)]
- チャーム+反チャーム [c ̄(c)]
- ηc(1s)
- J/ψ(1s)
- χc0(1P) (χ(1P))
- χc1(1P) (χ(1P))
- χc2(1P) (χ(1P))
- ψ(2s)
発見
1934(昭和9)年に湯川秀樹により理論的に導入されたのち、実験的にその存在が立証された。
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