モデルナンバー
読み:モデルナンバー
外語:model number

 マイクロプロセッサーの性能などに応じて附番され、製品の区別に用いられる番号。
目次

概要
 現在、x86プロセッサー製品で一般的に使われている方式である。
 古くはクロック周波数で区別されることが多かったが、異なるプロセッサーコアで同じクロック周波数の製品が多く登場するようになると区別が困難となり、クロック周波数表記に代えて使われるようになった。
 数字が大きいほうが高性能であることが多いが、実際には数字の大小と性能は無関係である。

特徴

由来
 もともとは、互換CPUメーカーのAMDが導入したものである。
 最初のプロセッサーは「Am5x86-P75」である。この製品は133MHz動作でPentium 75MHz相当の性能があったため、性能を分かりやすく表記するための指標として導入された。
 その後、AMD製品はクロックあたりの性能がIntelに勝り始めた。当時の性能の比較基準はクロック周波数であったため、同じ性能をより低いクロック周波数で実現できるとしても、消費者はクロック周波数だけをみて性能を判断した。
 そこでAMDは、モデルナンバーを使うようになった。

導入初期
 QuantiSpeedアーキテクチャを導入したPalomino(パロミノ)コア採用のAthlon XPから使われ始めた。その後、Athlon MP/Mobile Athlon 4Duron/SempronAthlon 64/Opteronなどでも継続して使われ、そして今に至っている。
 当初のものは、「Athlon XP 1800+」などと表現された。この1800がどこから来たのか、その数字の意味についてAMDからの公式なアナウンスはない。しかしその値が、対抗製品であるIntelプロセッサー(例えばAthlon XP/Athlon 64などであれば対抗するPentium 4、Sempronなら対抗するCeleron/Celeron D)の実クロックと比較した数字であろうことは疑いなく、これは公然の秘密ともいえた。
 つまり「Athlon XP 1800+」は、対抗となるPentium 4の1.8GHzかそれ以上の性能を持っていることを主張していたわけである。

Intel
 対するIntelも、コアが異なるが同じ周波数のCPUが続々登場することになり表現に困り始めた。
 MHzやGHzの前に1ないし2文字程度の英字を追加した苦しい表記(例えば、Pentium 4・2.40B GHz など)をしていたが、最終的にはAMDと同様に数桁のモデルナンバーを導入した。

その後
 Intelは、Intel Core 2の時代あたりから、比較方法の良く分からないモデルナンバーをつけ始めた。
 AMDも、Athlon 64 FXから基準を変え、結果として単純比較ができない状態となり、もって再びクロック周波数での比較に回帰してしまった。
 また、それまでは同じ製品ブランドの中では、数字が大きいほど高性能であるという暗黙の了解があったが、この頃からはそれもなくなり、数字自体には何の意味もなくなってしまった。

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