トリプルアルファ反応
読み:トリプルアルファ-はんのう
外語:triple alpha process
恒星にて行なわれている核融合反応の一つ。
概要
3個のヘリウム4から炭素12が作られる反応。
恒星内にヘリウムが大量にある老齢の恒星で起こりやすいとされている。水素燃焼過程を終えた老齢の恒星は自己重力で収縮を始め、収縮によって内部が高温となると、このヘリウム燃焼が起こりやすい。
特徴
最初の反応は、CNOサイクルにおけるpp III分岐の最後と同じ。8Beは不安定なためすぐに4Heに崩壊してしまうが、ヘリウムの核融合が発生する段階では、融合と崩壊が概ね平衡状態となる。しかし、8Beの量が僅かに上回ることもあり、この時に12Cが作られる。
- 4He + 4He → 8Be − 93.7keV
- 8Be + 4He → 12C + e+ + e− + 7.367MeV
また、この過程で酸素16も作られる。
- 12C + 4He → 16O + γ + 7.162MeV
ヘリウム燃焼過程では、炭素12と酸素16は豊富に作られるものの、この次のネオン20やそれ以上が作られることはない。
炭素12と酸素16がヘリウム燃焼過程での成果物であり、燃えカスでもある。
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