ツベルクリン反応
読み:ツベルクリン-はんのう
外語:Tuberculin test

 結核抗原に対してヘルパーT細胞がどの程度反応するかを調べる検査。略して「ツ反」。
目次

概要
 結核菌に感染すると、発病の有無に関わらず、人体は結核菌に対する免疫を形成する。
 この状態で、結核菌の成分であるツベルクリン蛋白を注射すると、人体は結核菌が侵入したと判断して炎症反応を起こし、赤く腫れる。これがツベルクリン反応である。

特徴

定性検査
 ツベルクリン検査は一般に定性検査である。
 検査に反応する場合を(+)、しない場合を(−)とし、この反応を利用して、結核感染の有無を判断するのがツベルクリン反応検査である。
 また結核感染だけでなく、BCG接種による免疫形成でも同じ反応を示すため、BCG接種後の免疫の有無を評価する目的でも行なわれる。

陰転化
 従来ツベルクリン反応が(+)だった人がある時(−)になる場合があり、これを「陰転化」という。
 この場合には、免疫系の疾患(AIDSサルコイドーシスなど)や、免疫系を機能不全にさせる疾患(麻疹など)が疑われる。
 ツベルクリン反応は、T細胞(Tリンパ球)の反応を見る検査である。他の疾患のためT細胞がそちらに対応している場合は、ツベルクリンに反応しないため陰性になってしまうということである。

結核予防

日本
 結核予防の考え方は国により様々である。
 日本ではツベルクリン反応は(+)を正常としていて、結核予防法およびその施行令により、4歳までのBCG接種が初回接種として義務づけられている。更に、小学1年生、中学1年生でBCG再接種が実施される。

アメリカ
 アメリカ合衆国ではツベルクリン反応は(−)が正常で、ツベルクリン反応が(+)なら結核菌保菌の疑いとされ、結核治療の対象となる。
 これはアメリカでは昔からBCGへの反対意見が強かったためで、加えて過去に一度BCG接種を受けるとその後にツベルクリン反応で(+)反応が出たとき、昔の接種によるものなのか新規の感染なのかが分からない、という短所を嫌ったためである。

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