64Kバイトの壁
読み:ろくじゅうよんキロバイトのかべ
外語:64KB wall

 8ビットマイクロプロセッサーや、x86シリーズのプロセッサーの16ビット環境にある
目次

概要
 64Kiバイトを超えるメモリー範囲について、直接アクセスできない、という制限のこと。
 正確にはキロではなくキビ、つまり「64Kiバイトの壁」と呼ぶべきだが、当時はまだKi(キビ)という単位がなく、このように「64Kバイトの壁」と呼ばれていた。

特徴

技術的内容
 x86プロセッサーの16ビット環境では、16ビットのセグメントと16ビットのオフセットにより、20ビットのアドレスを表わす。
 このため、セグメント変更なしの条件では、オフセット範囲の16ビット、すなわち216バイトの64Kiバイトの範囲しかアクセスできず、大きなプログラムを組むのが難しかった。これが64Kiバイトの壁である。
 x86に限らず、そもそもアドレスバスが16本しかない8ビットマイクロプロセッサー(Z80などに代表される)も、同様にこの壁がある。
 
 ちなみにこの環境下でのC言語プログラミングには特徴があり、ポインターにはfarポインターnearポインターがある。64Kバイトの壁はnearポインターに存在する制限である。

壁の突破
 この壁を突破するのは、80286の24ビットのプロテクトモードからで、この環境で224バイト、つまり16Miバイトまでに対応した。
 この壁は元々、8ビットのプログラムとの互換性のために産まれた仕様であったが、この壁の突破の究極的な解決は16ビットモードのうちは不可能で、互換性を捨てたプロテクトモードを利用するしかない。

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