菌
読み:きん
生物
の種類の一群で、
菌類
や、それに類する微小な生物の総称。但し、明確な定義はない。
目次
概要
原義
特徴
近代の意味の菌
混乱後の菌
古細菌
主な「菌」
概要
原義
元々、菌という語は「きのこ」を意味した。菌は、音読みは「キン」だが、
訓読み
は「きのこ」である。
近代科学発展以降には「きのこ」に類すると見られる生物を総じて菌と呼ぶようになった。
しかし時代の変遷と共に様々な
微生物
が発見されると、類縁関係の有無を問わず単に菌と呼ばれるようになったことから、意味が混乱することとなった。
特徴
近代の意味の菌
近代の意味での菌は、
五界説
で
菌界
に属する生物群を指す。菌界は
真核生物
ドメイン
に属している。
具体的には菌界に属する「真菌」をいい、
茸
、
黴
、
酵母
などがある。
区別のため、これを
菌類
と類を付けて呼ぶ。菌より意味が広そうだが、実際は狭い。
混乱後の菌
後に発見された生物群として「
細菌
」(バクテリア)がある。
現在は、
真正細菌ドメイン
に属する
真正細菌界
の生物を細菌というが、これは上に述べた真菌とは系統上も全く異なるものである。
細菌は桿菌や球菌に分けられ、この中には
結核菌
など
病原体
や、
乳酸菌
など日常生活に関わり深いものが含まれる。
日常的に菌と言った場合、今や真菌よりはこの細菌のことを指すことが多い。
古細菌
かつては細菌の一群と考えられ、やがて
三ドメイン説
で一つの
ドメイン
にまで分離された生物群の訳語に「
古細菌
」と命名された。
ドメインすら異なるということは、完全に異なる生物群ということで、菌類でないことはもちろん、細菌ですらもない。しかしここにも菌という字が使われている。
主な「菌」
現在、菌と呼ばれる生物群は、次のようなものがある。分類については様々な説があるが、ここでは一例を採用した。
真核生物
ドメイン
オピストコンタ/後方鞭毛類 (Opisthokonta)
真菌 (Fungi)
ホロゾア/完全動物 (Holozoa)
メソミセトゾア/偽粘菌 (Mesomycetozoa)
真正細菌
ドメイン
アメーボゾア/アメーバ動物
原生粘菌
動菌
細胞性粘菌
粘菌
変形菌
古細菌
ドメイン
コル古細菌 (Korarchaeota)
ユーリ古細菌+クレン古細菌
クレン古細菌 (Crenarchaeota)
ユーリ古細菌 (Euryarchaeota)
サーモコッカス綱+ナノ古細菌
ナノ古細菌 (Nanoarchaeota)
(分類名不明)
(分類名不明)
メタノミクロビウム綱+ハロバクテリア
ハロバクテリア/高度好塩菌 (Halobacteria)
メタノミクロビウム綱 (Methanomicrobia)
メタン菌/メタン生成菌 (Methanogen)
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