宇宙旅行
読み:うちゅうりょこう
外語:Space travel

 宇宙を旅すること。
目次

概要
 旅とは言っても、現在は極めて制限された範囲でしか行動できない。また、宇宙といっても地球の近傍だけである。その上、安全性は皆無で、命の保証は何一つされない。爆死する可能性すらある。
 しかし、民間人でも、チケットを買うだけの財力、健康な体と、命を失うリスクを補うだけの強い意思があれば、宇宙へ行くことが可能な時代となった。
 これといった観光スポットがある訳でもなく、美味しい料理も素敵なホテルも無いが、国際宇宙ステーション(ISS)へ滞在することも可能。宇宙船に搭乗し、大気圏外から地球を眺めるという、誰もが一度は夢見るだろうことを実現できる。
 2008(平成20)年までの宇宙旅行者は6名である。今後も増えると見られる。

特徴

旅行提供会社
 現在の旅行提供会社は、次の二社である。
 現在実績があるのは、ロシアの宇宙船を利用する、米スペース・アドベンチャーズ社が提供する宇宙旅行のみ。

旅行内容

スペース・アドベンチャーズ
 米スペース・アドベンチャーズ社が企画する宇宙旅行は、ロシアのソユーズ宇宙船(定員3名)に搭乗するプランである。
 同社の旅行プランは、予定も含めて大きく次の3種類があるとされ、実績があるのはプラン2のみである。
  1. 宇宙弾道飛行。所要時間20分程度の宇宙滞在で、約5分間の無重力体験 (100万ドル、約1億円程度からを予定)
  2. 10日間程度の旅行。一週間国際宇宙ステーションに滞在し、地球を周る (2000万ドル、約20億円少々)
  3. 月を周回して地球に戻る (1億ドル、約100億円程度からを予定)

ヴァージン ギャラクティック
 米Scaled Composites社開発の宇宙船SpaceShipTwoを利用するプランである。ヴァージン ギャラクティック社は2012(平成24)年末頃までに最初の宇宙旅行を主催する予定としている。
 日本の代理店はクラブツーリズムである。2012(平成24)年6月現在、日本人16名(男性11名、女性5名)が申し込んでおり、うち10名が企業の経営者とされている。報道によると申し込み当選した日本人枠に、神奈川県川崎市在住の56歳女性(一般人)、平松庚三(元ライブドア社長)、稲波紀明(一般人)などがいるとしている。
 費用は20万ドル(約2000万円)。無重力となる時間は4分間程度を予定している。

その他
 この他にもより格安な「準宇宙旅行」プランとして、超高空・超音速ジェット戦闘機体験飛行プランなどもある。
 200万円程度で、ロシア空軍のMiG-25やMiG-29、その他の戦闘機に体験搭乗できる。
 飛行する場所は宇宙とは言えないが、しかし空気の希薄な超高度である。これは、宇宙ファンだけでなく、軍事ファンにも魅力的な商品だろう。

宇宙旅行の条件

スペース・アドベンチャーズ
 スペース・アドベンチャーズ社のプランでは、宇宙へ行く前に、次を要求している。
 宇宙では、他の宇宙飛行士と共に、ISSで実験等の作業を行なうことになり、余暇の時間をISS内で自由に楽しむことができる。

条件の理由
 スペース・アドベンチャーズ社に限らず、当分の間は、宇宙飛行士としての訓練が求められると見られる。戦闘機の体験搭乗プランであっても、それなりの健康チェックがある。
 なぜなら、宇宙へ行くためには通常の数倍の加重重力が掛かるため身体への負担が大きいからである。その上、行く先は無重力の空間なので、事前の練習なしではまともに動き回ることすらできない。
 また宇宙では、急病でも地上にすぐには戻れない。
 従って、心臓や首、血管などに異常のある者は、残念ながら宇宙旅行はできない。

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