発電
読み:はつでん
電気以外のエネルギーを、
電気エネルギー
に変換すること。
目次
概要
特徴
発電機
熱エネルギー系
力学的エネルギー系
電気エネルギー系
直接変換発電
課題
燃料費
自然エネルギー
概要
エネルギー
という概念は様々な分野で使われていて幅広い。
例えば工学分野では4種類のエネルギーがあり、
熱エネルギー
、
機械エネルギー
、
化学エネルギー
のいずれかから電気エネルギーを得るものが発電だと考えることができる。
マクロなエネルギーとしては、
力学的エネルギー
(
位置エネルギー
、
運動エネルギー
)、
熱エネルギー
、質量エネルギーなどから電磁場のエネルギーを得るものが発電だと考えることができる。
他のエネルギーから電気を得る方法は様々に発案されており、現在使われている。主として、
発電機
を回す方法と、他のエネルギーを直接電気に変換する方法とがある。
特徴
発電機
発電機は、
運動エネルギー
から電力を得る装置で、一般にはコイルと磁石からなり、磁石を回転させることで電気を発生させる。
このため何らかの方法で運動エネルギーを作る必要がある。
熱エネルギー系
火力発電
‐ 可燃性物質を燃焼させて熱エネルギーを得、これをさらに運動エネルギーに変換する。
汽力発電
‐ 水を熱して
水蒸気
を作り、蒸気でタービンを動かし、タービンが発電機を回す方式。
内燃力発電 ‐ 内燃機関で燃料を燃やし、クランク軸を介して発電機を回す方式。
コンバインドサイクル発電(CC発電) ‐ 内燃力発電と汽力発電を融合し、効率を改善したもの。
廃棄物発電 ‐ ごみ処分場で発生する熱を利用した汽力発電。
核発電
原子力発電
‐
核分裂
反応で生ずる熱エネルギーを熱源とする汽力発電。
核融合発電 ‐
核融合
反応で生ずる熱エネルギーを熱源とする汽力発電。まだ実用化されていない。
地熱発電
‐
地熱
を熱源とする汽力発電。
太陽熱発電
‐ 集光した
太陽光
を熱源とする汽力発電。
力学的エネルギー系
水力発電
‐ 水の位置エネルギーを
運動エネルギー
に変換する方式。
揚水発電
‐ 電気が余る夜間に水を汲み上げておき、昼間に水を落下させて発電する水力発電。余剰電力を位置エネルギーとして保存するのが特徴。
マイクロ水力発電 ‐ 超小規模の水力発電で、川、用水路、下水管などに小型発電機を設置するもの。
風力発電
‐ 風の運動エネルギーを用いる方式。
波力発電 ‐ 波の運動エネルギーを用いる方式。
潮力発電 ‐ 潮の干満の位置エネルギーを運動エネルギーに変換する方式。
人力発電 ‐
人間
を動力源とする方式。電池がなくても電化製品が動かせるため、非常用品などに使われることがある。
手回し発電 ‐ ハンドルを手回しする方式。非常用ラジオなどに多い。
自転車発電 ‐ 自転車を漕ぎ、動いたタイヤで発電する方式。自転車のランプは、この方式を使っていると言える。
電気エネルギー系
電気エネルギーを、一旦他のエネルギーに変えてから再度電気エネルギーとするもの。何らかの変換をするときに使われることがある。
電動発電機
ブラシレス電動発電機
直接変換発電
電気エネルギー以外を、別のエネルギーを介さずに直接電気エネルギーに変換する発電方式。
太陽光発電
‐
太陽光
を電力に変える
太陽電池
を使った発電。燃料不要が最大の利点。
燃料電池発電 ‐ 化合反応を使う
燃料電池
による発電。効率が良いことから乗用車などへの応用が考えられている。
宇宙太陽光発電 ‐ 宇宙で太陽光発電し、それをマイクロ波やレーザー光にして地球に送信(というか照射)する方式。
JAXAも本気なう
振動力発電 ‐ 圧電素子と振動板を使い、振動や音を電気エネルギーに変換する方式。道路などの騒音でも発電できる。
課題
燃料費
日本の場合、原子力発電、火力発電、水力発電を主とし、他の方式も合わせて、様々組み合わせて利用している。
原子力にせよ火力にせよ発電における最大の課題は、必要な燃料をどこから輸入するか、そしてその燃料代をどこから捻出するか、である。燃料は日本で産出しないので輸入するしかないが、これも貿易黒字の範囲内でしか買えない。つまり、問題は外貨ということになる。
いくら日本円の電気代を上げてみたところで、燃料代が捻出できるとは限らない上に、発電用燃料を買うと、その分だけ食料を輸入する外貨が無くなる可能性がある。
福島第一原電事故以降、原子力発電に対する風当たりは強まっているが、日本の現状を考えると、
二酸化炭素
排出などは無視して原子力発電から火力発電に逆戻りすると仮定し、従来の電力量を維持しようとすると、代わりに食料不足と物価高騰を招き、大量の餓死者が出る可能性が発生する。
自然エネルギー
自然エネルギーを利用した発電が注目を集めつつある。
しかし、風力にせよ、
太陽光発電
(PV)にせよ、結局コストが引き合わない。
再検索