液体酸素
読み:えきたい-さんそ
外語:liquid oxygen
液体となった酸素のこと。概ね竏190℃程度で液体となる。略して「液酸」。
概要
酸素は、融点54.21K(-219℃)、沸点90.05K(-183℃)なので、液体酸素として存在するためには、温度がその間である必要がある。
液体燃料ロケットや、固体燃料ロケットの燃料として、液体水素と共によく使われている。
特徴
色
気体の酸素は無色だが、液体酸素は薄い青色を呈している。
これは酸素に特有の特徴で、このようになる理由は酸素原子の電子状態が原因である。
酸素分子
物質が最も安定した状態を基底状態、エネルギーが高い状態になることを励起状態という。そして原子は光を吸収することで基底状態から励起状態に電子の状態が変化するが、このことを遷移という。
さて酸素原子の場合、最も低い励起状態に遷移するためのエネルギーは赤外線の領域にあるが、この遷移は、酸素の特殊な電子状態が原因で起こらない。その次に不安定な励起状態への遷移は、紫外線の吸収によって起こる。つまり、可視光線の領域の光を吸収する反応がないため、酸素分子は無色となる。
液体
液体になると、分子同士の距離が近くなる。
そうなると二つの分子が相互作用をするようになり、二つの分子が最も低い励起状態に遷移するようになる。その際に吸収する光のエネルギーは、赤外線の、更に2倍となるため、オレンジ色の光(可視光線)を吸収するようになる。
結果として、白色光からオレンジ色の光が欠落した色となるため、オレンジ色の補色である青い色として目に見えるようになる。
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