水銀
読み:すいぎん
外語:Hg: Hydrargyrum

 銀白色の金属元素の一つ。金属元素中で唯一、常温で液体となる。
目次

情報

基本情報

一般情報

原子情報

物理特性

同位体
 質量数は、171から210までが確認されており、その中に核異性体も存在する。安定同位体は7つあるが、全て長寿命放射性同位体であると考えられている。
 崩壊の種類については一例。これとは異なる崩壊をすることもある。
同位体核種天然存在比半減期崩壊崩壊後生成物
171Hg   
172Hg   
173Hg   
174Hg   
175Hg α崩壊171Pt
176Hg α崩壊172Pt
177Hg α崩壊173Pt
β+崩壊177Au
178Hg α崩壊174Pt
β+崩壊178Au
179Hg α崩壊175Pt
β+崩壊179Au
180Hg β+崩壊180Au
α崩壊176Pt
181Hg β+崩壊181Au
α崩壊177Pt
182Hg β+崩壊182Au
α崩壊178Pt
183Hg β+崩壊183Au
α崩壊179Pt
184Hg β+崩壊184Au
185Hg β+崩壊185Au
186Hg β+崩壊186Au
187Hg β+崩壊187Au
188Hg β+崩壊188Au
189Hg β+崩壊189Au
190Hg β+崩壊190Au
191Hg β+崩壊191Au
191mHg β+崩壊191Au
192Hg EC崩壊192Au
193Hg β+崩壊193Au
193mHg β+崩壊193Au
IT崩壊193Hg
194Hg444年EC崩壊194Au
195Hg β+崩壊195Au
195mHg IT崩壊195Hg
β+崩壊195Au
196Hg0.15%安定核種(中性子数116)
197Hg2.706日EC崩壊197Au
197mHg IT崩壊197Hg
EC崩壊197Au
198Hg9.97%安定核種(中性子数118)
199Hg16.87%安定核種(中性子数119)
199mHg IT崩壊199Hg
200Hg23.10%安定核種(中性子数120)
201Hg13.18%安定核種(中性子数121)
202Hg29.86%安定核種(中性子数122)
203Hg46.612日β崩壊203Tl
204Hg6.87%安定核種(中性子数124)
205Hg β崩壊205Tl
206Hg8.15分β崩壊206Tl
207Hg β崩壊207Tl
208Hg β崩壊208Tl
209Hg   
210Hg   

性質
 辰砂(丹砂)という鉱物として産出する。この鉱物の主成分は硫化水銀(HgS)で、かつては塗料として使われていた(神社の鳥居の朱色など)。これを熱し、還元して水銀を得る。
 また、いろいろな金属とアマルガムという合金(液体)を作るのが特徴で、その性質を利用して古くは金メッキ(金を水銀に溶かしてメッキしたいものに塗り、水銀を自然乾燥させる)などが行なわれていた。
 熱膨張率が高いため温度計として用いたり、水銀電池水銀遅延線といった工業用途で用いられている。
 しかし、水俣病などの公害病の原因となるなど、毒性の高い物質でもある。

特徴

安全性

適用法令

危険性

有害性

環境影響
 魚類で生物濃縮が起こることがある。

発見
 昔から存在が知られており、発見者は不明。
 化学名Hydrargyrumは、古典ギリシャ語で「液状の銀」を意味する「υ`δρα'ργυροσ」(hydra'rgyros)から付けられた。
 英名Mercuryはローマ神話の商業の神メルクリウス/マーキュリーに由来する。これは、ギリシャ神話のヘルメス(Ε'ρμη~σ、Hermes)に相当する。

主な化合物

前後の元素
 
 79 ‐ 80 水銀 ‐ 81 タリウム

再検索