水晶振動子 |
辞書:科学用語の基礎知識 電子部品編 (NELECP) |
読み:すいしょうしんどうし |
外語:XO: crystal unit |
品詞:名詞 |
水晶の圧電効果を用いて高周波を得る受動素子。「水晶発振子」とも。
|
概要 |
水晶の原石から規定の角度・外形・サイズに従って水晶片を切り出し、表面に2つの電極を付けて金属缶で密封したものが水晶振動子である。
水晶には、圧電効果(あるいは圧電逆効果とも)と呼ばれる電圧を掛けると変形する性質がある。
その外形に固有な周波数の交流を電極にかけると、機械的共鳴によって振動が続く。この時の振動周波数は機械振動によるため極めて正確で、この共鳴が起こっているときは電極から見た電気的性質も大きく変わる。
これを利用して電子回路(発振回路)の中に組み入れ、正確な周波数の信号を発生させる用途に使われている。
特徴 |
波形 |
水晶振動子の出力は、水晶振動子の自由振動波形であるため正弦波である。
周波数 |
水晶振動子は、発信する周波数が高いほど水晶の厚みが薄くなる。そのため高周波のものは製造が難しいうえに振動などによって割れやすくなる。
直接発振可能な周波数は数[kHz]〜60[MHz]程度で、通常10[MHz]以上はC級動作で周波数を整数倍する回路(逓倍回路)を組み合わせる。
標準周波数 |
各種用途から、よく使われる周波数のものは「標準周波数」として既製品が出回っているが、それ以外は特注生産となる。
標準周波数として、1.0、2.0、2.4576、2.5、3.0、3.072、3.2768、3.579545、4.0、4.194304、4.1952、5.0、5.12、6.144、6.5536、10.0、10.24、12.288、16.384、……[MHz]などがある。
水晶発振器 |
水晶振動子にトランジスタやFETを組み合わせた発振器を、水晶発振器(クリスタルオシレーター)という。
コンピューターのマイクロプロセッサーで使われるクロック生成など、正確な信号が必要な用途で使われている。
クロックモジュール |
現在は、水晶振動子といっしょに発振回路も組み込まれ、電源を接続するだけで発振周波数が得られる「クロックモジュール」がある。
高精度なクロックを簡素な回路で作りたいような用途で広く使われている。
リンク |
通信用語の基礎知識検索システム WDIC Explorer Ver 7.04a (27-May-2022) Search System : Copyright © Mirai corporation Dictionary : Copyright © WDIC Creators club |