読み:かき
外語:persimmon

 カキノキ科の落葉高木。その果実を食用とする。世界的には、パーシンモンよりカキの方が通じるらしい。
目次

情報

分類
 ▼はAPG分類法における階層で、従来の階級にないもの。
 かつての新エングラー分類法とクロンキスト分類法では、綱は双子葉植物綱(Magnoliopsida)に分類されていた。
 目は、新エングラー分類法とクロンキスト分類法でカキノキ目(Ebenales)とされていたが、APG分類法でツツジ目(Ericales)となった。

生態
 東アジアから日本に掛けての地域が原産。大きく、支那原産説と日本原産説がある。
 日本からヨーロッパ、そしてアメリカに伝来したことから、学名はkakiとされた。
 今や世界中の温暖な地域で栽培されており、品種は世界で1000を超えるともされる。
 渋柿なら寒冷地で育つが、甘柿は温暖な地域、日本なら本州の関東以西でしか採ることができない。

特徴

甘柿と渋柿
 「桃栗3年柿8年」という程、結実までに期間の掛かる果実として知られる。実際には8年も掛からないが、時間が掛かるのは事実である。
 実は大きく「甘柿」と「渋柿」に分けられる。
 「渋柿」は実が堅いうちはタンニンが多く、渋い。
 「甘柿」は渋柿の突然変異種で、熟すと渋みが抜け甘くなる。これは日本原産とされている。

果実
 柿の実は栄養豊富で、ビタミンAビタミンCを含み、カリウムなどのミネラルも含む。「柿がくなると医者がくなる」ということわざがあり、栄養状態が悪かった昔は、栄養豊富なこの柿が万能薬として重宝されていた。
 未熟な果実には果肉内に水溶性のタンニン(可溶性タンニン)が含まれるため、甘柿でも渋柿でも幼果期は渋い。甘柿は成熟する過程で、この可溶性タンニンが不溶性に変わるため、食べても舌は渋味を感じなくなる。甘柿に見られる、俗にゴマと呼ばれる黒い斑点は、この不溶性タンニンが酸化したものである。
 渋柿は成熟しても渋いままなので、これを食用とするためには渋味を抜く必要がある。この作業は渋抜きといい、商業的には、炭酸ガスやアルコールを加えて密閉することで行なう。こうすると柿の実は酸素不足となり、アルデヒド等が発生することで、可溶性タンニンが不溶性に変わり、もって渋味がなくなる。
 また干し柿などにしても渋味はなくなり、日本でも古くから様々な方法で渋抜きがなされていた。

柿の種
 種がある通常の柿は6倍体(2n=90)であるが、種が無い種無し柿は9倍体(2n=135)となっている(2nは複相世代の細胞の核相を表わす)。
 種無し柿は、平核無柿(ひらたねなしがき、通称は八珍柿)と、その変種である刀根早生柿(とねわせがき)が代表だが、このいずれも渋柿であるため、炭酸ガスなどで渋抜きをしてから出荷されている。

柿の葉
 柿の葉も栄養豊富で、茶に加工して使われ柿葉茶として飲まれている。例えば、アサヒの清涼飲料水「十六茶」などにも含まれている。
 葉には、ビタミンCビタミンB群ビタミンKフラボノイドなどのビタミンビタミン様作用物質、他にミネラルも含む。
 初夏の若葉は柔らかいため、これを天ぷらにする「柿の葉の天ぷら」という料理がある。
 また殺菌効果があることから、押し寿司を柿の葉で巻いた柿の葉寿司などがある。

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